お弁当用にゆで卵を多めに作ったら、予定が変わって余ってしまった。冷凍しておけば、あとで使えるのか。迷う場面です。
ゆで卵は、冷凍に向かない食品のひとつです。ただし、黄身だけなら冷凍しやすいとされています。
ゆで卵の冷凍の可否と、冷凍するならどうするかを見ていきます。農林水産省やニチレイフーズなどの情報にそっています。冷蔵での日持ちや、生卵の冷凍にもふれます。
結論:ゆで卵はまるごとの冷凍に向かない。冷凍するなら黄身だけか、刻んであえてから
- まるごと冷凍すると、白身の水分が抜けてスポンジのようになり、かたくパサパサした食感になる
- 黄身だけなら、冷凍しても大きく変わりにくい。家庭の冷凍は2〜3週間以内に使いきる
- 冷凍より、殻付きのまま冷蔵して3〜4日で食べきるのが基本。殻をむいたものは保存せずに食べる
ゆで卵は冷凍できる?
冷凍庫に入れること自体はできます。ただ、解凍したあとの食感が大きく変わります。
農林水産省は、生卵やゆで卵を「ホームフリージングが難しい代表的な食品」に挙げています。ホームフリージングとは、家庭の冷凍庫で食品を凍らせて保存することです。
白身はスポンジ状になり、食感が悪くなる
ニチレイフーズのサイトでは、料理家がゆで卵を冷凍して試した結果を紹介しています。白身は水分が抜けて目の粗いスポンジのようになり、かたくパサパサした食感になったそうです。
ニチレイフーズは、この結果からゆで卵の冷凍はおすすめしないとしています。農林水産省も、先のとおりゆで卵を家庭での冷凍が難しい食品に挙げています。
黄身は冷凍しても変わりにくい
同じニチレイフーズの試食では、黄身はほぼ変化なく食べられたとしています。
ただし、家庭の冷凍庫で長く置くのは避けます。農林水産省は、家庭で冷凍した食品は2〜3週間以内に使いきるよう案内しています。
ゆで卵を冷凍するなら:黄身だけ・刻んであえてから
どうしても食べきれないときは、次の2つの方法があります。
一般的な注意として、冷凍するのは中までしっかり火を通した固ゆでの卵にします。
黄身だけを冷凍する
黄身の冷凍の手順は、公式の細かい案内が見つかりませんでした。以下は、農林水産省のホームフリージングの注意にそった一般的な手順です。
- 手と包丁、まな板をよく洗ってから、ゆで卵の殻をむき、白身と黄身に分ける
- 黄身を1回に使う分ずつラップで包み、空気が入らないようにする
- 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じる
- 金属のバットなどにのせ、なるべく早く凍らせる
白身は冷凍に向かないので、その日のうちにサラダやスープに使います。
刻んで卵サラダ(フィリング)にしてから冷凍する
たまご知識普及会議のサイト「たまペディア」は、フィリングにする方法を紹介しています。フィリングとは、パンにはさむ具のことです。ゆで卵を細かく刻み、マヨネーズや塩、こしょうであえてから冷凍します。
- 固ゆでにした卵の殻をむき、細かく刻む
- マヨネーズ、塩、こしょうであえる
- 1回分ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する
たまペディアでは、この方法で1か月ほど冷凍保存できるとしています。農林水産省の一般的な目安(2〜3週間)より長いため、早めに使うほうが安心です。
※キユーピーは、マヨネーズは0℃以下に置くと油が分離すると説明しています。このため、冷凍したフィリングは解凍後に油が分離して食感が変わる可能性があります(一般的な注意)。
ゆで卵・卵料理の保存期間の目安
家庭で冷凍したゆで卵の保存期間について、公的機関の目安は見つかりませんでした。下の表は、確認できた範囲の目安です。
| 状態・保存方法 | 日持ちの目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 殻付きのゆで卵(冷蔵) | 3〜4日で食べきる | たまペディア |
| 殻をむいた・割れたゆで卵 | 保存せずに食べる | たまペディア |
| ゆで卵まるごと(冷凍) | すすめられていない | 農林水産省、ニチレイフーズ |
| 黄身だけ(冷凍) | 2〜3週間以内(家庭の冷凍の一般的な目安) | 農林水産省、ニチレイフーズ |
| 刻んだフィリング(冷凍) | 1か月ほど。早めに使うほうが安心 | たまペディア |
| 炒り卵(冷凍) | 2週間程度 | ニチレイフーズ |
※農林水産省は、家庭で冷凍した食品は2〜3週間以内に使いきるよう案内しています。家庭の冷凍庫はゆっくり凍るため、品質が落ちやすいからです。
ゆで卵を刻んで炒り卵のように使いたいときは、ニチレイフーズの炒り卵の目安が参考になります。1回分ずつラップで包んで冷凍用保存袋に入れ、2週間程度としています。
解凍のしかたと使い方
厚生労働省は、凍った食品を調理台に置いたまま解凍しないよう呼びかけています。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があるからです。解凍は冷蔵庫の中か、電子レンジで行います。
北海道は、冷凍した食品は使う分だけ解凍し、解凍したらすぐ調理するよう案内しています。
ここからは一般的な使い方です。解凍した黄身は、ほぐしてポテトサラダやグリーンサラダに散らせます。フィリングは、サンドイッチの具やタルタルソースの代わりに使えます。
冷凍に向かない食べ方・注意点
- ゆで卵をまるごと冷凍して、そのまま食べる(白身の食感が大きく変わる)
- 殻付きのまま冷凍する(たまペディアによると、中身が膨らんで殻が割れ、不衛生になる)
- 半熟卵や煮卵を冷凍する(白身の変化は同じと考えられる。公式の案内は見つからなかった)
- 一度解凍したものを、もう一度冷凍する
厚生労働省によると、冷凍や解凍をくり返すと、食中毒菌が増える場合があります。また、冷凍庫の中でも細菌が死ぬわけではありません。一般的に、冷凍する前に傷んでいたものは、凍らせても元には戻りません。
日本食品衛生協会は、加熱した卵料理もなるべく早く食べるよう案内しています。一般的には、ゆでたらすぐ冷まして冷蔵し、冷凍するなら早いうちにします。
冷凍したゆで卵が傷んでいるサイン
ここで挙げるのは、一般的な注意です。ゆで卵に限った公式の基準は見つかりませんでした。
- 解凍したときに、ゆで卵特有のにおいとは違う、すっぱいにおいや腐ったにおいがする
- 表面にぬめりがある、糸を引く
- カビが生えている、ピンク色や黄色っぽいしみなど、いつもと違う色がある
- 霜がびっしりつき、表面が白っぽく乾いている(冷凍焼け)
冷凍焼けとは、乾燥や酸化で表面が白っぽく変質することです。傷んだわけではなくても、味は落ちます。北海道は、ちょっとでも怪しいと思ったら食べずに捨てるよう呼びかけています。
※黄身と白身の境目が黒っぽくなるのは、長くゆでたときに起きる変化です。JA全農たまごは、食べても問題はないとしています。
よくある質問
ゆで卵は冷凍できる?
凍らせることはできますが、すすめられていません。白身の水分が抜けて、スカスカでかたい食感になります。冷凍するなら黄身だけか、刻んであえてからにします。
冷凍したゆで卵はおいしくない?
白身は、目の粗いスポンジのようになり、パサパサします(ニチレイフーズ)。そのまま食べると、違いがはっきりわかります。黄身は、ほぼ変わりなく食べられたとされています。
殻をむいたゆで卵は何日もつ?
たまペディアは、殻をむいたものや、ゆでる途中で割れたものは保存せずに食べるよう案内しています。殻付きで冷蔵しても、3〜4日で食べきる目安です。
生卵は冷凍できる?
農林水産省は、生卵もホームフリージングが難しい食品に挙げています。凍ると殻が割れるため、解凍した卵は中まで加熱して使うのが安全です。東京都は、ひびのある卵を生で食べないよう案内しています。
ニチレイフーズの試食では、解凍した生卵の黄身はねっとりと固まり、白身はサラサラのままだったとしています。
卵サラダやタルタルソースは冷凍できる?
たまペディアは、刻んだゆで卵をマヨネーズなどであえたフィリングなら、1か月ほど冷凍できるとしています。ただしマヨネーズは、0℃以下で油が分離します(キユーピー)。解凍後に食感が変わる可能性があります。
賞味期限切れの卵でゆで卵を作って冷凍してもいい?
冷凍はすすめません。殻にひびがなく状態に問題がない卵を固ゆでにし、冷蔵して早めに食べきります。期限切れの卵の判断は、賞味期限切れの卵はいつまで食べられるかで確認してください。
まとめ
ゆで卵は、まるごとの冷凍に向きません。白身の水分が抜けて、スポンジのようなかたい食感になります。
冷凍するなら、黄身だけにするか、刻んでフィリングにしてからにします。黄身も長くは置かず、早めに使いきります。
いちばん確実なのは、殻付きのまま冷蔵し、3〜4日で食べきることです。殻をむいたものは、その日のうちに食べてください。




