肉じゃがを多めに作り、冷まして冷蔵庫に入れた。でも、この量は食べきれそうにない。冷凍しておけないかと迷う場面です。
肉じゃがは冷凍できます。ただし、じゃがいもの食感は変わります。作ったらすぐ冷まして冷蔵庫へ入れ、食べきれないと分かったら早めに冷凍します。
結論:肉じゃがは冷凍できる。じゃがいもの食感は変わるので、除くかつぶすと食べやすい
- 家庭で冷凍したじゃがいもは元に戻らない(日本冷凍食品協会のカレーでの説明)。解凍後はスカスカしやすい
- 作ったら鍋のまま常温に長く置かず、小分けにして早く冷ます
- 冷蔵庫に入れ、食べきれないと分かったら早めに冷凍する
- 家庭で冷凍した食品は2〜3週間以内に使いきる(農林水産省)
- 温め直しは中心までしっかり加熱する
肉じゃがは冷凍できる?
冷凍はできます。調理済みのおかずは、家庭での冷凍に向く食品の例とされています。
ただし、具によって向き不向きがあります。肉じゃがでは、じゃがいもとしらたきが食感の変わりやすい具です。
じゃがいもがスカスカ・ボソボソになる理由
家庭の冷凍庫では食品がゆっくり凍ります。これを緩慢凍結といい、食品の組織がこわれて品質が変わります。
日本冷凍食品協会は、カレーを家庭で冷凍した例を挙げています。カレーのソース部分は元に戻る一方、具のじゃがいもやにんじんは元に戻らないと説明しています。
ハウス食品も、カレーについての案内で理由を説明しています。じゃがいもは冷凍すると、解凍時に水分が抜けて食感が落ちるとしています。
どちらもカレーについての説明です。ただ、煮たじゃがいもを家庭で冷凍する点は肉じゃがも同じです。解凍後はホクホク感が減り、スカスカした食感になりやすいと考えられます。
しらたき・こんにゃくも食感が変わる
農林水産省は、こんにゃくを家庭での冷凍に向かない食品に挙げています。肉じゃがにしらたきを入れた場合も、食感が変わりやすい具です。
ニチレイフーズは筑前煮の冷凍で、こんにゃくは食感が変わりやすいため取り除くよう案内しています。しらたきはこんにゃくの一種です。食感が気になるなら、先に食べきるか取り除きます。
作ったらすぐ冷ます:ウェルシュ菌に注意
肉じゃがを作ったら、食べる分を除いて残りはすぐ冷まし、冷蔵庫に入れます。食べきれないと分かったら、早めに冷凍します。鍋のまま常温に置いておき、あとから冷凍する流れは避けます。
理由はウェルシュ菌です。農林水産省によると、この菌は芽胞(熱に強い殻のような状態)を作るため、加熱調理しても生き残ります。
ウェルシュ菌は約12〜50℃の広い温度で増えます。酸素の少ない環境で増えやすいのも特徴です。
消費者庁は、大量に作ったカレーや煮物を鍋のまま室温に置くことに注意をよびかけています。ゆっくり冷める間に、鍋の底などで菌が増えるためです。
小分けにして早く冷まし、冷蔵か冷凍します。底の浅い平たい容器や保存袋に分けると、温度が早く下がります。
肉じゃがの冷凍のしかた
じゃがいもの扱いを先に決める
ハウス食品はカレーの冷凍で、じゃがいもの食感が気になる場合の方法を3つ挙げています。取り除く、すりつぶす、別にソテーしてからカレーと一緒に冷凍する、の3つです。
このうち、取り除く方法とつぶす方法は肉じゃがにも使えます。カレーの案内を応用した一般的な工夫です。
- 取り除く:じゃがいもは冷蔵のうちに食べきり、肉と玉ねぎと煮汁を冷凍する
- つぶす:じゃがいもだけ粗くつぶし、肉などと混ぜて冷凍する
食感の変化を気にしないなら、じゃがいもごと冷凍してもかまいません。
クレハは、加熱したじゃがいもを熱いうちにつぶし、冷めてから小分けにして冷凍する方法を紹介しています。コロッケやスープ、ポテトサラダに使えるとしています。
冷凍の手順
- 食べる分を取り分け、残りは鍋から出す
- 底の浅いバットや保存容器に、汁ごと薄く広げて早く冷ます
- 粗熱がとれたら、1食分ずつ冷凍用保存袋か冷凍用保存容器に入れる
- 袋なら空気を抜いて平らにし、口を閉じる
- 金属製のバットなどにのせて冷凍庫に入れる
ニチレイフーズは筑前煮で、バットに汁ごと広げ、底を氷水に当てて粗熱をとる方法を紹介しています。保存袋は金属製のバットにのせて急速冷凍するとしています。
農林水産省も、早く凍らせるために金属製など熱の伝わりやすい容器を使い、食品を薄くするよう案内しています。冷凍室は最も冷える設定にするとしています。
汁ごと冷凍するか、容器はどうするか
ニチレイフーズは筑前煮で、煮汁ごと冷凍する方法を紹介しています。煮汁ごと冷凍すると、具に味をしみこませながら乾燥を防げるとしています。
容器は、冷凍用保存袋なら薄く平らにできて、早く凍ります。冷凍用保存容器は形がくずれにくく、電子レンジ対応ならそのまま温められます。袋に冷凍した日を書いておくと、期間を管理しやすくなります。
冷凍するおかずは、普段より調味料を減らし、薄味にするとよいでしょう。冷凍前提で作るなら、味つけを少し控えめにします。
冷凍保存の期間の目安
肉じゃがに限った冷凍期間の公式な目安は、見つかりませんでした。家庭で冷凍した食品全般については、農林水産省の目安があります。
| 対象 | 期間の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 家庭で冷凍した食品全般 | 2〜3週間以内に使いきる | 農林水産省 |
| 参考:筑前煮(煮汁ごと) | 1か月程度 | ニチレイフーズ |
| 参考:マッシュしたじゃがいも | 2〜3週間 | クレハ |
※品質を保つための目安です。農林水産省は、家庭では凍るのに時間がかかり、保存中の温度も変わりやすいことを理由に挙げています。
じゃがいもの食感を考えると、早めに食べきるほうが無難です。
解凍・温め直しのしかた
凍ったまま加熱して温め直します。常温に置いたままの解凍はしないでください。厚生労働省は、室温で解凍すると食中毒菌が増える場合があるとしています。
- 保存容器:ふたをずらして電子レンジで加熱し、途中で一度混ぜる
- 保存袋:中身を鍋かフライパンに移し、混ぜながら加熱する
ニチレイフーズは筑前煮で、電子レンジ(500W)なら500gにつき5分加熱し、混ぜてさらに5分としています。鍋なら強火で約3分、半解凍で混ぜてさらに約1分加熱します。沸騰したら中火に落とし、約2分温めるとしています。
この時間は筑前煮の例で、肉じゃがの量や容器で変わります。中心まで熱くなったかを確かめてください。
厚生労働省は、残った食品を温め直すときは75℃以上を目安に十分加熱するとしています。鍋底までかき混ぜて、中心までしっかり加熱します。
食感が気になるときの使い方
スカスカしたじゃがいもは、形を残して食べるより、つぶして使うほうが気になりにくくなります。これは一般的な工夫です。
- 温め直してから粗くつぶし、コロッケの具にする
- だしを足して、汁ものやカレーの具にする
- 卵でとじて、丼の具にする
冷凍した肉じゃがをお弁当に使うとき
ニチレイフーズは筑前煮で、汁気を切ってシリコンカップに入れて冷凍する方法を紹介しています。この筑前煮は、凍ったまま詰めて自然解凍でよいとしています。
ただし、肉じゃがを同じように自然解凍で使えるかは、公式情報で確認できませんでした。家庭で作った肉じゃがは、一度しっかり温め直してから使うほうが安心です。
農林水産省は、前日に作ったおかずや残り物は、詰める直前に十分に再加熱するよう案内しています。汁気はよく切ります。
ご飯やおかずは、十分に冷ましてからふたをします。温かいうちに詰めると蒸気がこもり、傷みの原因になります。
- 1回分ずつシリコンカップなどに分けて冷凍しておく
- 使う分を電子レンジで中心まで温める
- 汁気を切り、冷ましてから詰める
- 長時間持ち歩くときは保冷剤を使う
冷凍に向かない食べ方・注意点
ほくほくのじゃがいもを楽しみたいなら、冷凍は向きません。できたての食感を優先するなら、冷蔵で早めに食べきるほうが確実です。これは品質面の一般的な考え方です。
ニチレイフーズは肉じゃがの冷蔵保存について、しっかり冷まして清潔な容器に入れ、3〜4日間保存可能としています。作ったらすぐ冷まして冷蔵庫へ入れ、食べきれないと分かったら早めに冷凍します。
- 冷凍しても細菌は死なない(厚生労働省)
- 冷凍と解凍をくり返すと、食中毒菌が増える場合がある(厚生労働省)
- 一度解凍したものは再冷凍しない
- 常温に長く置いた肉じゃがを、あとから冷凍しても安全にはならない
最後の点は、ウェルシュ菌の性質から考えた注意です。冷凍は菌を減らすものではないため、冷凍する前の扱いが大切です。
冷凍した肉じゃがが傷んでいるサイン
冷凍した肉じゃがの傷みのサインを示す公式の案内は、見つかりませんでした。ここからは一般的な注意です。
- 表面が白っぽく乾いている:冷凍焼け(乾燥や酸化で表面が変質すること)。風味が落ちている
- 袋や容器の中に霜がたくさんついている:乾燥が進んでいるサイン
- 温め直したときに、酸っぱいにおいやいつもと違うにおいがする
- 汁にぬめりがある、糸を引く
おかしいと感じたら、加熱しても食べないでください。厚生労働省も、怪しいと思ったら食べずに捨てるよう案内しています。
よくある質問
肉じゃがは冷凍できる?まずくならない?
冷凍はできます。ただし、じゃがいもはスカスカした食感になりやすいです。気になるなら、じゃがいもを取り除くかつぶしてから冷凍します。
じゃがいもごと冷凍してもいい?
冷凍すること自体はできます。ただし、日本冷凍食品協会はカレーの例で、家庭で冷凍したじゃがいもは元に戻らないと説明しています。食感の変化を承知のうえで冷凍します。
冷凍した肉じゃがはどのくらいもつ?
肉じゃがに限った公式の目安は見つかりませんでした。農林水産省は、家庭で冷凍した食品は2〜3週間以内に使いきるよう案内しています。
作った翌日の肉じゃがを冷凍してもいい?
作ってすぐ冷まし、冷蔵庫に入れていたものなら、食べきれないと分かった時点で早めに冷凍できます。
鍋のまま常温に置いていたものは、ウェルシュ菌が増えているおそれがあり、冷凍に回しません。この菌は熱に強い芽胞を作るため、再加熱しても安全とは言えません(消費者庁・農林水産省)。
食べずに処分するほうが安心です。厚生労働省も、怪しいと思ったら食べずに捨てるよう案内しています。
冷凍した肉じゃがはお弁当に入れられる?
入れられます。電子レンジで中心まで温め直し、汁気を切って冷ましてから詰めます。農林水産省は、残り物は詰める直前に十分に再加熱するよう案内しています。
じゃがいもを使った作り置きは、ポテトサラダの冷凍のしかたでもまとめています。
まとめ
肉じゃがは冷凍できます。日本冷凍食品協会はカレーの例で、家庭で冷凍したじゃがいもは元に戻らないと説明しています。気になるなら、取り除くかつぶしてから冷凍します。
作ったら鍋のまま常温に置かず、小分けにして早く冷まして冷蔵庫へ入れます。食べきれないと分かったら、早めに冷凍します。ウェルシュ菌は加熱しても生き残り、ゆっくり冷める間に増えるためです。
保存は2〜3週間を目安に使いきります。温め直しは中心まで熱くし、解凍したものは再冷凍しないでください。



参考
- 農林水産省「ホームフリージングする際の注意点について教えてください。」
- 農林水産省「煮込み料理を楽しむために~ウェルシュ菌による食中毒にご注意を!!~」
- 農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」
- 消費者庁「知って安心、食品の注意点 ~カレーや煮物の作り置きに注意~」
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
- 東京都保健医療局「お弁当をつくるときに、どのようなことに気を付ければよいですか?」
- 日本冷凍食品協会「家で冷凍保存したカレーのにんじんやじゃがいもがスカスカになるのは?」
- ハウス食品「カレーの冷凍術」
- ニチレイフーズ「筑前煮の冷凍」
- ニチレイフーズ「味しみ肉じゃがの基本レシピ」
- クレハ「じゃがいも 冷凍・冷蔵保存のコツ」
- クレハ「冷凍おかずの人気レシピや作り方のポイントを紹介」
