日曜にまとめて作ったおかずが、冷蔵庫に並んでいる。できれば金曜まで、一週間もたせたい。でも、冷蔵庫に入れておけば本当にもつのだろうか。
家庭の作り置き全般について、公的機関の保存日数は見つかりませんでした。日数はメーカーの目安、保存のしかたは公的機関の案内と、出どころを分けて書きます。
結論:冷蔵で一週間は長い。冷蔵は短めにし、食べきれない分は早めに冷凍へ
- 家庭の作り置き全般の保存日数について、公的機関の目安は見つかりませんでした
- メーカーの冷蔵の目安は、三菱電機が「できれば翌日」、リッチェルが2〜3日、パナソニックが常備菜で3〜5日。一週間とするものは見つかりませんでした
- メーカーの日数には、保存温度などの条件がくわしく書かれていません。厚生労働省の保存のしかた(冷蔵庫は10℃以下など)を守ったうえでの目安として読みます
- 食べきれない分は、粗熱を取ったら小分けしてすぐ冷凍する。冷凍しても菌は死なない(厚生労働省)
- 少しでも怪しいと思ったら食べない(厚生労働省)
作り置きおかずの日持ちの目安
家庭で作ったおかず全般の保存日数について、公的機関の目安は見つかりませんでした。厚生労働省は、時間が経ち過ぎたら思い切って捨てるよう呼びかけています。
メーカーの公式ページには、目安の日数が載っています。ただし、出典によって幅があります。
| 出典 | 対象 | 冷蔵 | 冷凍 |
|---|---|---|---|
| 厚生労働省・農林水産省 | 家庭の作り置き全般 | 日数の目安は見つからず | 日数の目安は見つからず |
| 三菱電機(くらトク) | 炒め物、カレーやシチューなどの煮込み料理 | できれば作った日の翌日に食べきる | 日数の記載なし(汁物・煮込み料理は冷凍に向かないとする) |
| 三菱電機(くらトク) | 和え物やサラダなど加熱しない料理 | 作った翌日を目途に食べきる | 日数の記載なし |
| リッチェル(LIFE+) | 作り置きおかず | 2〜3日(塩や酢を多めに使えば3〜4日) | 2〜3週間 |
| パナソニック(UP LIFE) | 常備菜(おかずによる) | 基本的に3〜5日 | 記載なし |
| ニチレイフーズ | 筑前煮 | 3〜4日 | 約1か月 |
※三菱電機とパナソニックは家電メーカー、リッチェルは保存容器などのメーカーです。いずれも各社サイトのコラムで、監修者の記載はありません。補足の目安として扱ってください。各社とも保存温度などの条件はくわしく示していません。リッチェルは、食材の種類や季節で変わるとしています。
ミツカンは、日持ち期間はあくまで目安だとしています。保存状態や食材で変わる、という注意つきです。
一週間分を作るなら、前半に食べる分だけ冷蔵にします。後半の分は、粗熱を取ったらすぐ冷凍へ回すと、冷蔵の目安に収めやすくなります。
日持ちが短くなる条件・傷みやすい理由
広島県は、食中毒菌や腐敗菌は10℃を越えると徐々に増えるとしています。冷蔵庫に入れるまでの時間や、庫内の温度が日持ちを左右します。
次のようなときは、表の目安より早く傷むおそれがあります。
- 温かいまま長く置いた、または温かいまま冷蔵庫に入れた
- 冷蔵庫に詰めすぎて冷えにくい
- 食卓で箸をつけたものを、そのまま保存した
- 容器や取り分け用の箸が、洗っていない・乾いていない
- 汁気が残っている
ウェルシュ菌(煮物・カレーなど)
ウェルシュ菌は、酸素の少ない環境で増えやすい食中毒菌です。農林水産省によると、芽胞(熱に強い殻のような状態)を作るため、加熱調理しても生き残ります。
あら熱をできるだけ早く取り、速やかに冷蔵庫や冷凍庫に入れることが大切です。
黄色ブドウ球菌(手指から)
黄色ブドウ球菌は、手指の傷口などにいる菌です。原因食品はおにぎりや寿司、肉・卵などの調理加工品など多岐にわたります。
この菌が作る毒素は熱に強く、通常の加熱調理では働きを失いません。作り置きを取り分けるときは、手や箸を清潔にしておくことが大切です。
作り置きを日持ちさせる保存のしかた
- 保存容器と取り分け用の箸は、きれいに洗ってしっかり乾かしてから使う
- 食べきれない分は、箸をつける前に別の容器に取り分ける
- 浅い容器に小分けして、早く冷えるようにする
- あら熱をできるだけ早く取り、速やかに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
- 温かいままふたをしない。容器の内側やふたに水滴がつき、傷む原因になる
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下を保つ(厚生労働省)
- 詰めすぎない。目安は冷蔵庫や冷凍庫の7割程度(厚生労働省)
- 取り出すときは清潔なスプーンや取り箸を使い、使いまわさない
温かいまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がります。周りの食品まで傷める原因にもなります。
冷蔵庫の温度は、ときどき温度計で確かめます。作った日付を容器に書いておくと、何日目かを数えやすくなります。
※日付を書く工夫は、公的な案内ではなく一般的な工夫です。
日持ちしやすい味付け・調理法
メーカーの公式ページでは、次のような工夫が紹介されています。どれも日持ちを延ばす保証ではなく、保存条件を守ったうえでの工夫です。
- 濃いめの味付けにして、菌の繁殖をおさえる
- 酢を取り入れる。酢には防腐・静菌効果がある
- 酢を使った料理は、アルミ製の容器で保存しない
- 炒め物や煮物は、汁気がなくなるまで炒りつける
- 肉や魚は中までしっかり火を通す
リッチェルは、塩や酢を多めに使えば冷蔵の目安が3〜4日になるとしています。
食べないほうがよいサイン
福岡市は、食中毒菌が増えたときは、外観やにおいでは判断がつかない場合がほとんどだとしています。食中毒菌は増えても、味や香り、色が変わらないこともあります。
見た目やにおいに異常がなくても、安全とは限りません。次のようなものは食べずに捨てます。
- いつもと違うにおいや味がする
- ぬめりや糸を引く感じがある、カビが生えている
- 汁が濁っている、泡が出ている
- 何日目かわからない、常温に長く置いていた
※においや味は農林水産省の案内、そのほかは公的な案内が見つからなかったため一般的な注意として挙げています。
厚生労働省は、ちょっとでも怪しいと思ったら食べずに捨てるよう呼びかけています。迷ったら食べないようにします。
農林水産省は、妊娠中の人、乳幼児、高齢の人は食中毒が重症化しやすく、特に注意が必要だとしています。こうした家族が食べるときは、日数に余裕をもって早めに食べきります。
冷凍する場合
一週間もたせたいなら、冷凍を組み合わせます。リッチェルは、作り置きおかずの冷凍の目安を2〜3週間としています。
ただし、冷凍で菌がいなくなるわけではありません。厚生労働省と日本食品衛生協会によると、細菌の多くは−15℃で増えなくなりますが、死ぬわけではありません。
厚生労働省は、冷凍と解凍を繰り返すと食中毒菌が増える場合もあるとしています。1回分ずつ小分けして冷凍し、使う分だけ解凍します。
汁物料理や煮込み料理は冷凍に向きません。豆腐やじゃがいも、こんにゃくなどを使った料理も、冷蔵保存がすすめられています。
料理ごとの冷凍のしかたは、肉じゃがの冷凍やゆで卵の冷凍でまとめています。
よくある質問
作り置きは冷蔵庫で一週間もつ?
今回確認した公的機関とメーカーのページに、作り置き全般を冷蔵で一週間とする目安は見つかりませんでした。冷蔵の目安は、三菱電機が「できれば翌日」、リッチェルが2〜3日、パナソニックが常備菜で3〜5日です。
一週間分を作るときは、後半の分を冷蔵せず、粗熱を取ったらすぐ冷凍します。
作り置きは何日目まで食べていい?
公的機関の日数の目安は見つかりませんでした。メーカーの目安は、出典やおかずによって異なります(上の表)。
メーカーの日数には、保存温度などの条件がくわしく書かれていません。厚生労働省の保存のしかたを守り、清潔な箸で取り分けたうえでの目安と考えます。温かいまま置いた、常温に出していたなど条件が崩れたら、目安は当てはまりません。
作り置きをお弁当に入れていい?
お弁当は、当日調理が基本です。前日に作ったおかずや残り物を詰めるときは、詰める直前に十分に再加熱します。
再加熱しても、傷んだものが安全になるわけではありません。入れるのは、目安の日数内で傷みのサインがないものだけです。
そのあと冷ましてから詰めます。温かいうちに詰めると、蒸気が水分になり傷む原因になるためです。長く持ち歩くときは、保冷剤や保冷バッグを使います。
常温で置いたままにしてしまったら?
何時間までなら大丈夫、という公的な目安は見つかりませんでした。広島県は、菌は10℃を越えると徐々に増えるとしています。
厚生労働省は、時間が経ち過ぎたら思い切って捨てるよう呼びかけています。ウェルシュ菌の芽胞や黄色ブドウ球菌の毒素は、加熱し直しても残ることがあります(農林水産省、食品安全委員会)。
ひと晩など長く常温に置いたものは、食べずに捨てるほうが安全です。
温め直せば大丈夫?
温め直しで安全になるとは言えません。厚生労働省は、温め直すときも十分に加熱し、75℃以上を目安とするよう呼びかけています。
ただし、傷んだものや時間が経ちすぎたものは、加熱しても食べません。
食べて具合が悪くなったら?
厚生労働省は、腹痛や下痢、吐き気があれば医師に相談するよう呼びかけています。いつ、何を食べたかを伝えると、診察の参考になります。
意識がおかしい、ぐったりしている、水分がとれないなど重いときは、ためらわず119番に電話します。受診を迷うときは、救急安心センター事業(#7119)に相談できます。実施していない地域もあります。
料理別の日持ち
おかずごとの目安と注意は、料理別の記事にまとめています。日持ちしやすい料理を探すなら、日持ちする料理の一覧から選べます。
市販の惣菜の場合
市販の惣菜は、まず表示の期限と保存方法に従います。どちらの期限も、定められた方法で保存した場合の日付です(消費者庁)。
消費期限は、安全性を欠くおそれがないと認められる期限です。賞味期限は、期待される品質が十分に保たれる期限です。
まとめ
家庭の作り置き全般について、公的な保存日数は見つかりませんでした。メーカーの冷蔵の目安は出典ごとに異なり、一週間とするものは見つかりませんでした。
すぐ冷まして浅い容器に小分けし、10℃以下で冷蔵します。清潔な容器と取り箸を使い、食べきれない分は冷蔵せずに冷凍へ回します。
見た目やにおいでは安全を判断できません。少しでも怪しいと思ったら、食べずに捨ててください。


参考
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
- 食品安全委員会「ブドウ球菌食中毒(ファクトシート)」(PDF)
- 農林水産省「これで解決!食中毒予防のポイント」
- 農林水産省 aff「食事編」(食中毒予防)
- 農林水産省「煮込み料理を楽しむために:ウェルシュ菌による食中毒にご注意を!!」
- 農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」
- 農林水産省「食中毒から身を守るには」
- 消費者庁「期限表示とは」(PDF)
- 広島県「家庭でできる食中毒予防のポイント:食品の保存」
- 福岡市「食中毒(細菌性・ウイルス性)について」
- 福岡市「家庭での食品の保存に気をつけよう!」
- 東大阪市「食中毒って何?」
- 日本食品衛生協会「食中毒予防の6つのポイント」
- ミツカン「簡単!作り置き&お弁当おかずコツ・ポイント」
- ニチレイフーズ「筑前煮の冷凍」
- リッチェル LIFE+「作り置きのおかずの保存方法と日持ちさせるコツ」
- パナソニック UP LIFE「常備菜を日持ちさせる4つのコツ」
- 三菱電機 くらトク「作り置きの保存テク紹介」
