特売でひき肉を2パック買った。1パックは今夜のハンバーグに使うけれど、もう1パックは週末まで使う予定がない。冷蔵庫のままでいいのか、冷凍したほうがいいのか迷う場面です。
ニチレイフーズの記事では、ひき肉を「傷みやすい」としています。すぐに使わない分は、冷凍が選択肢になります。
結論:生のひき肉は表示の消費期限まで。使わない分は買ってすぐ冷凍
- 冷蔵は、パックの消費期限と保存方法に従う。ひき肉に限った公的な冷蔵日数は見つからなかった
- 冷凍の目安は、ニチレイフーズが生のひき肉で2週間程度、そぼろにしたもので3〜4週間としている
- 解凍は冷蔵庫か電子レンジ、水なら袋に入れて流水で(厚生労働省)。再冷凍しない
- 中心部が75℃で1分間以上になるまで加熱する(厚生労働省)
- 冷凍しても細菌が死ぬわけではない(厚生労働省)。においやぬめりがあるもの、迷うものは食べない
まずは表示の消費期限と保存方法に従う
パックのひき肉には、ふつう消費期限が表示されています。消費期限は、定められた方法で保存した場合に、安全性を欠くおそれがないと認められる期限です(消費者庁)。
賞味期限は、期待される品質が十分に保たれる期限です。どちらも、定められた方法で保存した場合の期限です。
消費期限などを確かめて買い、早めに使いきります。冷蔵庫の目安は10℃以下です(厚生労働省)。
ひき肉の日持ちの目安
冷蔵:公的な日数は見つからなかった
ひき肉を冷蔵で何日保存できるかについて、公的機関の目安は見つかりませんでした。判断のよりどころは、パックの消費期限です。
日本ハムは、肉全般について、食べきれない場合は2〜3日の短期間なら冷蔵庫、それ以上なら冷凍庫としています。ひき肉に限った日数ではありません。
ニチレイフーズの記事(料理研究家の吉田瑞子さんが解説)は、買ってすぐに使わない分は冷凍しておくのが正解としています。
冷凍:出典ごとの目安
| 出典 | 対象・条件 | 冷凍の目安 |
|---|---|---|
| ニチレイフーズ(吉田瑞子さん解説) | 生のひき肉。約100gずつラップで包み、冷凍用保存袋で空気を抜く | 2週間程度 |
| ニチレイフーズ(吉田瑞子さん解説) | 生のひき肉をバットに広げて凍らせる「パラパラ冷凍」 | 2週間程度 |
| ニチレイフーズ(吉田瑞子さん解説) | 炒めて味付けしたそぼろ。小分けにして冷凍用保存袋へ | 3〜4週間 |
| ニチレイフーズ(肉の冷凍の記事) | 家庭で冷凍するひき肉(冷凍用密封保存袋に薄く入れる) | 2週間が目安 |
| ニチレイフーズ(肉の冷凍の記事) | 家庭で冷凍する肉全般(ひき肉を除く) | 1カ月程度 |
※日数は、ニチレイフーズが各記事の手順で冷凍した場合の目安で、安全を保証する日数ではありません。密封できていないなど手順どおりでなければ当てはまりません。冷凍庫の温度は、厚生労働省が家庭の一般的な目安として−15℃以下を挙げています。
ニチレイフーズは、ひき肉は空気に触れる部分が多いため、冷凍の目安をほかの肉より短い2週間としています。
ひき肉で注意したい食中毒菌
厚生労働省は、ハンバーグなどひき肉から作る料理では、病原体が中心部まで入ってしまうと説明しています。中心部まで火を通すことが大切です。
日本食品衛生協会は、ひき肉についてカンピロバクターや腸管出血性大腸菌などの食中毒菌を挙げています。中心部の肉の色が変わるまで、十分に加熱するよう呼びかけています。
関係する食中毒菌
- 腸管出血性大腸菌(O157など):牛や豚などの家畜の腸内にいる菌。重い健康被害が出ることがある(厚生労働省)
- サルモネラ属菌:牛や豚などの家畜の腸内にいる菌
- カンピロバクター:鶏肉から高い頻度で見つかる
東京都は、こうした菌は少ない菌数で食中毒を起こすとしています。菌がついている肉は、新鮮であっても、加熱が足りなければ食中毒になる可能性があります。
厚生労働省は、子ども、高齢の人、妊娠中の人、免疫の働きが落ちる病気の人は重症化しやすいとして注意を呼びかけています。
日持ちさせる保存のしかた
冷凍する手順
- 買ったらすぐ、使わない分を分ける。1回に使う量(約100gが目安)ずつにする(ニチレイフーズ)
- ラップでぴったり包み、できるだけ平たくする
- 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じる
- アルミやステンレスのトレイにのせ、冷凍庫で凍らせる
ひき肉は薄く伸ばして表面積を大きくし、密封してアルミトレーで急速冷凍します。袋に薄く入れて菜箸で線をつけると、使う分だけ折って取り出せます。
農林水産省は、多めに買ったときは1回で使う量に小分けするよう案内しています。肉のドリップ(肉汁)に食中毒菌がいることもあるため、ほかの食品にふれないようにします。
解凍のしかた
- 冷蔵庫で解凍する。100gにつき3〜4時間で半解凍(ニチレイフーズ)。料理の半日くらい前に冷蔵庫へ移す
- 電子レンジの解凍モードか200Wで、100gにつき1分加熱して半解凍(ニチレイフーズ)
- 水を使うときは、気密性のある袋や容器に入れて流水で(厚生労働省)
厚生労働省は、凍った食品を調理台に置いたまま解凍しないよう呼びかけています。ニチレイフーズは、解凍後は中心部まで火を通し、その日のうちに使いきるとしています。
再冷凍しない
解凍したひき肉や肉は、再冷凍を避けます。厚生労働省は、冷凍と解凍を繰り返すのは危険だとしています。
冷凍しても、細菌が死ぬわけではありません。厚生労働省によると、多くの細菌は−15℃で増えるのが止まるだけです。
中心まで十分に加熱する
厚生労働省の目安は、中心温度75℃で1分間以上の加熱です。ハンバーグは、肉汁が透明になり、中心部の色が白っぽく変わったことを目安にします。
生肉を焼くときは専用のトングや箸を使い、焼けた肉は別の箸で取り分けます。生肉を触ったあとは、石けんで手を洗います。
加熱してそぼろにしてから冷凍する
ニチレイフーズ(吉田瑞子さん解説)は、そぼろにして冷凍すると3〜4週間保存できるとしています。手順は次のとおりです。
- フライパンでひき肉と具材を炒める。パラパラになったら味付けし、水分が飛ぶまで炒める
- バットに取り出して冷ます
- 約100gずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れる。空気を抜いて口を閉じ、冷凍する
使うときは、100gにつき電子レンジ(500W)で1分加熱して解凍します。ごはんや冷ややっこ、サラダなどにのせる使い方が紹介されています。
食べないほうがよいサイン
厚生労働省は、少しでも怪しいと思ったら、食べずに捨てるよう呼びかけています。
- 消費期限を過ぎている
- 買ったあと冷蔵庫に入れず、常温で長く置いていた
- 解凍したあと、冷蔵庫でそのまま置いていた
- いつもと違うにおい(すっぱいにおい、腐ったにおい)がする
- 表面がぬるぬるする、糸を引く
※におい・ぬめり・糸を引くは、公的な判定基準ではなく一般的な注意です。これらがなくても、安全とは限りません。
色が変わったひき肉は?
日本食肉科学会によると、肉の内部は酸素にふれないため、やや暗い紫赤色です。表面が空気にふれると鮮やかな赤になり、長い時間がたつと褐色に変わります。
肉の赤い色素(ミオグロビン)が酸化すると、褐色になります。色の変化には、このように酸素がかかわっています。
ただし、ひき肉の色だけで食べられるかを判断する公的な目安は見つかりませんでした。期限を過ぎたもの、においやぬめりがあるものは、色にかかわらず食べないでください。
よくある質問
ひき肉は冷蔵で何日もつ?
ひき肉に限った公的な冷蔵日数は見つかりませんでした。パックの消費期限と保存方法に従います。すぐに使わない分は、買った日に冷凍します。
冷凍して1カ月たったひき肉は食べられる?
ニチレイフーズは、ひき肉の冷凍の目安を2週間としています。1カ月程度は、ひき肉以外の肉の目安です。
長く冷凍すると冷凍焼けが起こることがあります。くすんだ暗い色になり、表面が乾燥していたら冷凍焼けです。
何日を過ぎたら危ないという公的な線引きは見つかりませんでした。においや状態がおかしければ食べないでください。
消費期限の当日に冷凍してもいい?
期限ぎりぎりで冷凍しても、細菌が死ぬわけではありません(厚生労働省)。冷凍するなら、買った日のうちが安心です。
※「買った日のうちが安心」は、ニチレイフーズの「買ってすぐに使わない分は冷凍」をもとにした一般的な注意です。
凍ったまま調理してもいい?
ニチレイフーズは、パラパラ冷凍したひき肉は、凍ったままチャーハンや煮物、スープに加えて調理する方法を紹介しています。どの方法でも、中心部まで十分に加熱します。
常温に置いてしまったら?
何時間までなら大丈夫という公的な目安は見つかりませんでした。厚生労働省は、10℃以下の冷蔵を目安にしています。長く常温に置いたものや、迷うものは食べないでください。
お弁当に入れていい?
そぼろやハンバーグなど、中心まで十分に加熱した料理を入れます。よく冷ましてから詰めてください。冷蔵の日持ちは作り置きの日持ちでまとめています。
※冷ましてから詰めるは一般的な注意です。
食べて具合が悪くなったら?
腹痛・下痢・発熱などが出たら、早めに医療機関を受診します。いつ、何を食べたかを伝えると診察の参考になります。
意識がおかしい、ぐったりしているなど重い症状のときは、ためらわず119番に電話します。救急車を呼ぶか迷うときは、地域の#7119(救急安心センター事業)に相談できます。総務省消防庁によると、実施は全国41地域です。
肉の期限表示の読み方は、肉の消費期限・賞味期限で詳しく見ています。
まとめ
生のひき肉は、パックの消費期限と保存方法に従います。冷蔵で何日という公的な目安は見つかりませんでした。使わない分は買ってすぐ冷凍します。
冷凍の目安は、ニチレイフーズが生で2週間程度、そぼろで3〜4週間です。平らにして密封し、解凍は冷蔵庫か電子レンジ、または袋に入れて流水で行います。
解凍したら再冷凍せず、中心部が75℃で1分間以上になるまで加熱します。少しでも怪しいと思ったら、食べずに捨ててください。


参考
- 消費者庁「期限表示とは」(PDF)
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
- 厚生労働省「食中毒予防:お肉はよく加熱して食べよう」
- 農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方」
- 東京都保健医療局「家庭で生肉を調理する際に、どのようなことに気を付ければよいですか?」
- 東京都保健医療局「生レバーや鶏さしは、食べると食中毒になると聞きましたが、本当ですか?」
- 日本食品衛生協会「お肉による食中毒を防ぎましょう!」
- ニチレイフーズ「挽き肉の冷凍:小分け保存が便利!美味しさキープするコツ」
- ニチレイフーズ「肉の冷凍:賞味期限は大丈夫?安全で美味しい保存テクニック」
- 日本ハム「上手な保存・解凍の仕方」
- 日本食肉科学会「食肉用語の解説:食肉の色」
- 日本食肉消費総合センター「用語集:ミオグロビン」
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)ってナニ?」
