非常用に買っておいたレトルトカレーを出したら、賞味期限が8ヶ月過ぎていた。箱に入ったままで、見た目は何も変わらない。家族のお昼に出していいのか、迷う場面です。
レトルト食品は、常温で長く保存できる食品です。ただ、期限の過ぎたものをどう扱うかは、保存していた場所や袋の状態で変わります。
判断のしかたを、日本缶詰びん詰レトルト食品協会やメーカー各社の案内にそってまとめました。期限の見方や確かめ方は、おかゆや雑炊などほかのレトルト食品にも当てはまります。
結論:未開封なら袋の状態と中身を確かめて判断する
- 賞味期限は、未開封で表示どおりに保存した場合の目安。過ぎてすぐ食べられなくなるわけではないが、メーカーは期限内をすすめている
- 袋の膨らみ、破れ、液漏れ、開けたときの異臭があれば食べない。迷ったら食べない
- 開封後や、電子レンジで温めたあとの残りは保存しない。1回で食べきる
賞味期限と消費期限の違い
消費期限は、過ぎたら食べないほうがよい期限です。賞味期限は、おいしく食べられる品質が保たれる期限です(消費者庁)。
レトルトカレーなどのレトルト食品には、賞味期限が表示されています。どちらの期限も、未開封で、表示どおりに保存した場合の日付です。
ハウス食品によると、「年月」で表示された賞味期限は、その月の末日までが期限です。
レトルト食品とは:長く保存できる理由
レトルト食品は、フィルムやアルミはくを張り合わせた袋や容器に食品を詰め、すき間なく密封します。そのあと、圧力をかけて高温で殺菌した食品です。
ハウス食品は、密封して加圧加熱殺菌しているため、微生物による腐敗や光による変質はないとしています。酸素による品質の変化も少なく、長く保存できるということです。
レトルト食品には「気密性容器に密封し、加圧加熱殺菌」といった表示が義務づけられています。この表示がある製品は、常温で保存できます。
見た目が似ていても、レトルト食品ではない袋詰めの食品もあります。厚生労働省は、「要冷蔵」「10℃以下で保存」の表示がある食品は必ず冷蔵するよう呼びかけています。常温で置いてよいのは、「気密性容器に密封し、加圧加熱殺菌」などの殺菌方法の表示があるものだけです。
レトルトカレーの賞味期限の長さと、期限切れの判断の目安
レトルト食品の賞味期限は、資料によって幅があり、1年から3年ほどとされています。期限の長さは商品ごとに違います。
| 種類 | 賞味期限(未開封) | 出典 |
|---|---|---|
| レトルト食品全般 | 1年から3年程度 | 日本缶詰びん詰レトルト食品協会 |
| レトルト食品全般 | 製造日から主に1〜2年 | Umios(旧マルハニチロ) |
| ボンカレーゴールド | 製造後1年4か月 | 大塚食品 |
| ボンカレーネオ・元祖ボンカレーなど | 製造後1年1か月 | 大塚食品 |
※期限の長さはメーカーが商品ごとに決めています。手元の箱や袋の表示を確認してください。
期限を過ぎたあとの判断は、次の表を目安にしてください。「何ヶ月過ぎたら食べられない」という公式の線引きはありません。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 未開封・常温の室内で保存・期限を少し過ぎた | 袋の状態と中身を確かめ、問題がなければ早めに食べる。迷ったら食べない |
| 未開封で、8ヶ月・9ヶ月など長く過ぎた | 公式の月数の目安はない。味や香りは少しずつ変わる。袋に異常があれば食べない。迷ったら食べない |
| 高温になる場所や湿気の多い場所に長く置いていた | 期限内でも品質が落ちやすい。袋と中身をよく確かめ、違和感があれば食べない |
| 袋が膨らんでいる・破れている・液が漏れている | 期限に関係なく食べない |
| 開封済み・温めたあとの残り | 保存しない。1回で食べきる |
日本缶詰びん詰レトルト食品協会は、保管中に新たな微生物が入らないかぎり、未開封なら中身は腐らないと説明しています。密封したあとの殺菌で、腐敗の原因になる微生物を死滅させているためです。
ただし同協会は、高温多湿な場所での長期保存は安全性が損なわれる場合もあるとしています。期限の過ぎたものは、下のサインを確かめます。
メーカーの多くは、期限内に食べるようすすめています。大塚食品は、期限を過ぎると本来の味わいと異なるため、おすすめしないとしています。
食べないほうがいいサイン
日本缶詰びん詰レトルト食品協会は、期限の過ぎた缶詰・びん詰・レトルト食品の確認点を挙げています。どれも未開封のうちに確かめます。
- 容器が膨らんでいないか(微生物が入ると、ガスが出て膨らむことがあります)
- 缶詰は、さびていないか、ふたを押すとペコペコへこまないか
同協会は、こうした状態が見られたら、十分に注意したうえで捨てるよう案内しています。
次の点は、公式の案内で具体的に挙げられたものではありませんが、一般的な注意です。当てはまれば食べないでください。
- 袋に破れや穴がある、液が漏れている、箱の中がべたついている
- 開けたときに、酸っぱいにおいや、いつもと違うにおいがする
- いつもと違う色、泡、糸を引くようなとろみがある
- においや見た目を先に確かめたうえで、食べ始めて酸味や苦みなど、いつもと違う味がしたら、それ以上食べない
大塚食品によると、電子レンジで温めたあとに袋がしばらく膨らんでいるのは問題ありません。少したつとしぼみます。気をつけたいのは、温める前から膨らんでいる袋です。
小さな子どもや高齢者、妊娠中の人、体調がよくない人が食べるなら、期限内のものを選ぶと安心です。食べたあとに腹痛や下痢、吐き気が出たときは、早めに医療機関へ相談してください。
レトルトカレーの保存のしかた
直射日光の当たる場所は避けます。暖房器具や加湿器の影響を受ける場所、風通しの悪い場所も避けます。温度変化や湿気の少ない場所で保管してください。
ガスコンロの近くや、夏の車の中は温度が上がります。大塚食品は、高温の状態が続くと、未開封でも風味の劣化が早まる可能性があるとしています。
冷蔵庫や冷凍庫に入れてもいい?
ハウス食品は、レトルトカレーは常温での保存をすすめています。冷蔵庫に入れると、カレーソースが分離することがあります。分離したときは、温めてよく混ぜてから食べるよう案内しています。
Umios(旧マルハニチロ)は、冷凍はすすめていません。凍ると中身がふくらみ、密封を保てなくなって品質が落ちるおそれがあるためです。
災害用の備蓄はローリングストックで
非常用に買ったレトルトカレーは、しまい込んで期限が切れやすい食品です。ローリングストックという備え方があります。
ふだんの食品を少し多めに買い置きし、古いものから食べて、食べた分を買い足す方法です。農林水産省は、できれば1週間分の備蓄をすすめています。
箱に期限を大きく書き、期限の近いものを手前に置くと、入れ替えがしやすくなります。
開封後・温めたあとの残りはどうする?
ハウス食品は、レトルト食品は開封後の保存はできないとしています。エスビー食品も、袋を開けたら直ちに食べるよう案内しています。
大塚食品によると、電子レンジで温めると袋の蒸気口が開き、密封されていない状態になります。温めたものは、開けていなくてもすみやかに食べてください。
湯せんで温めて開けなかったものは、温め直しても問題ないと大塚食品は説明しています。ただ、温め直しをくり返すと、おいしさは落ちます。
味の素は、開封後は家庭で作った料理と同じように考えるよう案内しています。残さない量だけ温めてください。
期限間近・少し過ぎたレトルトカレーの使い道
ここで紹介する使い方は、袋に異常がなく、開けたときのにおいや見た目に問題がないものに限ります。加熱で安全になるわけではありません。
期限を過ぎたものは、香りが弱くなっていることがあります。ほかの食材と合わせると、風味の落ちが目立ちにくくなります。
カレーうどん・カレー雑炊
めんつゆやだしでのばすと、カレーうどんになります。ごはんと水を足して煮れば、カレー雑炊にもなります。
カレードリア・焼きカレー
ごはんの上にカレーをかけ、チーズをのせてオーブントースターで焼きます。1袋を2人で分けるときにも向いています。
野菜を足したカレー
炒めた玉ねぎやひき肉、ゆでた野菜を足して温めます。具を足すと、量も食べごたえも増えます。
異常があって捨てたときは、カレールーがないときの代用を参考に、家にある調味料でカレー味を作れます。
よくある質問
賞味期限切れのレトルトカレーはいつまで食べられる?
確認できた範囲では、期限後の月数の線引きは公的機関もメーカーも示していません。袋の状態と中身を確かめ、少しでも異常があれば食べないでください。
8ヶ月・9ヶ月過ぎたレトルトカレーは食べられる?
室内で未開封なら、月数より袋と中身の状態で判断します。
未開封なら賞味期限切れでも大丈夫?
未開封で、高温や多湿の場所に置いていないことが判断の前提です。そのうえで、袋の膨らみや漏れがないか確かめてください。
レトルトのおかゆや雑炊も同じ考え方?
同じくレトルトの表示があるものは、判断のしかたも同じです。味の素は、レトルトのおかゆは冷凍すると水っぽく変質するとしています。
加熱すれば期限切れのレトルトカレーでも大丈夫?
加熱で安全になるとは言えません。膨らんだ袋や異臭のあるものは、温めても食べないでください。
非常食としてカップ麺も置いているなら、賞味期限切れのカップ麺の判断のしかたもあわせて確認してください。
まとめ
レトルトカレーの賞味期限は、未開封で表示どおりに保存した場合の目安です。期限を過ぎたものは、袋の膨らみや破れ、液漏れ、開けたときのにおいを確かめて判断します。迷ったら食べないでください。
開封後や、電子レンジで温めたあとの残りは保存せず、1回で食べきります。保存は、直射日光や高温、湿気を避けた室内で行います。
非常用のものは、ローリングストックで古いものから食べて入れ替えると、期限切れを防げます。




参考
- 消費者庁「食品の期限表示に関する情報」
- 消費者庁「期限表示(消費期限・賞味期限)」(PDF)
- 厚生労働省「真空パック詰食品(容器包装詰低酸性食品)のボツリヌス食中毒対策」
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(2)」
- 日本缶詰びん詰レトルト食品協会「レトルト食品について教えてください」
- 日本缶詰びん詰レトルト食品協会「缶詰、レトルト食品の保存性について教えてください」
- 日本缶詰びん詰レトルト食品協会「保管するにはどんな場所がよいですか?」
- 日本缶詰びん詰レトルト食品協会「賞味期限が切れた缶詰やびん詰、レトルト食品は食べられますか?」
- ハウス食品「レトルト食品は何故長持ちするのですか。」
- ハウス食品「レンジ対応パウチは、レトルト食品ですか?常温で長期間保存できますか?」
- ハウス食品「レトルトカレーは、猛暑の時期、冷蔵庫で保存しても良いですか。」
- ハウス食品「レトルト食品は、開封後どのくらい保存できますか。」
- ハウス食品「賞味期限の見方」
- エスビー食品「賞味期限が切れた商品は食べられますか?」
- エスビー食品「開封後食べきれずに残ってしまったものは保存できますか?」
- 大塚食品「ボンカレーのQ&A」
- 大塚食品「賞味期限を過ぎたらどうなりますか。」
- 大塚食品「一度温めたものを開封せずにそのまま保管したものを、もう一度温め直しして食べてもよいですか。」
- 大塚食品「電子レンジで温めた後、パウチがなかなかしぼまないのですが大丈夫ですか。」
- 大塚食品「食品に関するよくあるご質問」
- Umios「レトルト 商品別Q&A」
- 味の素「お粥・スープ(レトルトパウチ食品)の適切な保存方法」
