棚の奥から醤油のボトルが出てきた。見ると、賞味期限が1年近く過ぎている。色もいつもより黒っぽい気がして、使うか捨てるかで迷う場面です。
醤油は、未開封か開封済みかで考え方が変わります。開封済みなら、容器が通常のボトルか、密封ボトル(キッコーマンの「いつでも新鮮」シリーズなど)かも確かめます。
結論:未開封か、容器の種類は何かを先に確かめる。迷ったら使わない
- ヤマサは、期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないとしつつ、期限内の使用をすすめています
- ヤマサは、期限を過ぎた醤油は色がやや濃くなり、風味が落ちるとしています
- 開封後の目安:ヤマサはおいしさを保つため冷蔵庫で1か月くらい、イチビキは同社のしょうゆで2〜3か月としています
- キッコーマンの密封ボトルの2商品は、開栓後も常温で90日(200ml)または120日(450ml・620ml)鮮度を保つとしています
- 白い膜が出たものや、においや見た目に違和感があるものは使わない(一般的な注意)
賞味期限と消費期限の違い
消費期限は「安全に食べられる期限」です。賞味期限は「おいしく食べられる期限」です。
どちらも、袋や容器を開けずに、書かれた保存方法を守った場合の期限です。農林水産省は、一度開けた食品は期限に関係なく早めに食べるよう案内しています。
醤油の賞味期間:未開封の場合
「キッコーマン こいくちしょうゆ」(1L・500mlペットボトル)の開封前賞味期間は、商品情報で18か月です。
密封ボトルの「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」と「味わいリッチ減塩しょうゆ」も、商品情報では18か月です。
ヤマサ、イチビキの未開封の賞味期間は、確認できませんでした。手元の商品の表示を見てください。
※賞味期間は商品や容器、時期で異なります。上の数字はキッコーマンが商品情報に示した対象商品のものです。
期限切れの醤油を使うかどうかの判断の目安
賞味期限は、開けずに表示どおり保存した場合の期限です。開封後の目安は、それとは別に示されています。
| 対象 | 案内の内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 賞味期限の過ぎたしょうゆ | 腐敗や変敗の恐れがないので、一般の食品に比べ長く使用できる。すぐに食べられなくなるわけではないが、色がやや濃くなり、風味が落ちる。基本的に期限内の使用をすすめる | ヤマサ(同社のQ&A) |
| 開栓後のしょうゆ | おいしさを保つため、きちんと栓をして冷蔵庫に保存し、1か月くらいで使い切る | ヤマサ |
| 同社のしょうゆ(開封後) | 2〜3か月を目安に使い切る。保存方法は商品の表示を確認する | イチビキ |
| いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ、いつでも新鮮 味わいリッチ減塩しょうゆ(開栓後) | 常温保存で90日間(200ml)または120日間(450ml・620ml)鮮度を保つ | キッコーマン(各商品情報) |
キッコーマンは、「いつでも新鮮」シリーズの常温保存可能な期間はしょうゆにより異なるとしています。ほかの商品は手元の表示を確認してください。
ヤマサの「長く使用できる」は同社のQ&Aの説明です。期限を何か月、何年過ぎたら使えない、という公式の線引きは見つかりませんでした。
手元の醤油は、次の表を目安に判断してください。異常があれば使わず、迷ったら使わないでください。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 未開封で表示どおり保存し、期限を少し過ぎた | 開けて色・におい・表面を確かめる。違和感があれば使わない。迷ったら使わない |
| 未開封で、期限を1年以上過ぎた | 公式の目安は見つかりませんでした。風味は落ちていると考え、使わないほうが安心(一般的な注意) |
| 通常のボトルを開けて、冷蔵庫で保存していた | ヤマサは1か月くらい、イチビキは2〜3か月が目安。過ぎたものは使わないほうが安心(一般的な注意) |
| 通常のボトルを開けて、常温に置いていた | 色が濃くなりやすい。表面に白い膜やにおいの変化があれば使わない(一般的な注意) |
| 密封ボトルで、開栓後の目安の日数を過ぎた | メーカーの目安を過ぎている。使わないほうが安心(一般的な注意) |
| 開けた時期がわからない | 目安を過ぎているか判断できない。使わないほうが安心(一般的な注意) |
※出典を示していない部分は、公的機関やメーカーの情報で確認できなかった一般的な注意です。
色が濃くなる理由と白い膜の正体
色が濃くなるのは酸化と褐変
醤油は空気(酸素)に触れると酸化・褐変(茶色く変わること)が進みます。色が濃くなると同時に、香りや味も落ちていきます。
しょうゆ情報センターは、酸化・褐変の速さは温度が10℃上がると2倍になるといわれていると説明しています。
密封容器が登場する前のペットボトルやびんは、空気に触れて色が濃くなり、風味が落ちました。そのため開栓後は冷蔵庫で1か月程度で使い切る必要があった、とキッコーマンは説明しています。
色が濃くなったこと自体は、傷みのサインとは限りません。ただし風味は落ちています。
白い膜は産膜酵母
イチビキによると、表面の白い膜や白い浮遊物は「産膜酵母」という菌です。開封後にアルコール濃度が下がり、空気中の酵母菌が増えたものとしています。
ヤマサは、醤油の表面に生える白いカビは、産膜酵母菌という好塩性(塩分に強い)の酵母菌の一種だとしています。
イチビキとヤマサは、体に害はないとしています。そのうえで、風味や味は落ちているとしています。カビが生えると急速に色が濃くなり、香りや風味が落ちます。
ただ、白い膜と、ほかのカビとの見分けは家庭では難しいことがあります。本記事では、白い膜が出た醤油は使わないことをすすめます(一般的な注意)。
使わないほうがいいサイン
メーカーの案内で確認できたのは、次の2つです。どちらも、メーカーは風味の低下として説明しています。
- 表面に白い膜や白い浮遊物がある(イチビキ、ヤマサは産膜酵母で、風味が落ちているとしています)
- 色が濃くなっている(ヤマサ、キッコーマンは、風味が落ちると説明しています)
白い膜が出たものは、見分けの難しさから使わないほうが安心です(一般的な注意)。このほか、次のような醤油は使わないでください。
- 白以外の色のカビ(緑・黒など)や、綿のようにふわふわしたものがある
- 酸っぱいにおい、腐ったようなにおいなど、いつもと違うにおいがする
- 容器がふくらんでいる、泡が出ている、にごっている
- 口にしたとき、いつもと違う味がした(それ以上使わない)
※上の4項目は、公的機関やメーカーの情報で確認できなかった一般的な注意です。
白い膜かどうか見分けがつかないときや、迷ったときは使わないでください。
醤油について、子どもや高齢の人、妊娠中の人に限った公的な目安は見つかりませんでした。一般的な注意として、こうした家族には期限内・開封後の目安内のものを使うと安心です。
食べたあとに腹痛や下痢、吐き気が出たら、早めに医療機関に相談してください。重い症状のときは119番、受診を迷うときは#7119(実施地域あり)に相談できます。
醤油の保存のしかた:開封前・開封後
開封前は表示どおりに
未開封の醤油は、商品に書かれた保存方法を守ります。キッコーマンの商品情報は、召しあがる際には商品の表示を確認するよう案内しています。
通常のボトルは開けたら冷蔵庫へ
ヤマサは、醤油が変質するおもな原因を温度(熱)、空気(酸素)、微生物(カビ)の3つとしています。使ったらきちんと栓をし、冷蔵庫に保存するよう案内しています。
湯気の立った鍋の真上でびんから注ぐと、びんに蒸気が入ってカビの原因になることがあります。
イチビキは、できるだけ開封後は冷蔵庫で保管するよう案内しています。しょうゆさしは継ぎ足さず、こまめに洗って煮沸消毒し、乾かしてから入れて冷蔵庫へ、としています。
大きいボトルを開けたら小さな容器に分け、空気に触れる量を減らす方法もあります。
密封ボトルは商品の表示に従う
キッコーマンは、「いつでも新鮮」シリーズの密封容器は、開栓後も常温保存でしょうゆの色・味・香りを保つとしています。
しぼりたて生しょうゆと味わいリッチ減塩しょうゆの商品情報では、開栓後の日数は次のとおりです。200mlが90日間、450ml・620mlが120日間です。
同社は、常温保存可能な期間はしょうゆにより異なるとしています。ほかの商品は、手元の表示を確認してください。
減塩しょうゆ・だししょうゆ・つゆの扱い
減塩しょうゆ
ヤマサによると、減塩しょうゆは食塩分が通常の醤油の約半分(9W/V%以下)です。
イチビキは、塩分がカットされている醤油は必ず冷蔵保存するよう案内しています。キッコーマンの「いつでも新鮮 味わいリッチ減塩しょうゆ」は、開栓後常温で90日または120日としています(商品情報)。
減塩しょうゆは容器や商品で扱いが違います。開封後の保存方法は、手元の商品の表示に従ってください。
つゆ類は日持ちが短い
しょうゆ情報センターは、つゆ類は醤油より食塩分が低いので、腐敗しやすいとしています。
同センターの開栓後の賞味期間は、ストレートで約3〜5日、2倍濃縮で2〜3週間、3倍濃縮で1〜1.5か月です。容器がガラスびんの場合です。
ヤマサは、同社のつゆは開栓後は必ず冷蔵庫で保存するよう案内しています。ストレートは2〜3日、3倍濃縮は約3週間が目安です。
だししょうゆの開封後の目安は、公式情報で確認できませんでした。本記事の対象外とします。手元の商品の表示に従ってください。
期限切れ間近・少し過ぎた醤油の使い道
ヤマサは、賞味期限を過ぎた醤油の使い道を紹介しています。煮詰める料理や、みりんやだしと合わせた煮物なら、風味の劣化が気になりにくいとしています。
これは風味についての案内です。加熱すれば安全になる、とは言えません。
使えるのは、色・におい・表面に違和感のないものだけです。白い膜が出たもの、においや色に違和感があるものは使わないでください(一般的な注意)。
よくある質問
賞味期限切れの醤油は使える?
ヤマサは、すぐに食べられなくなるわけではないが、風味は落ちるので期限内の使用をすすめるとしています。
醤油の賞味期限が1年過ぎていたら?
1年過ぎたものについての公式の目安は見つかりませんでした。未開封でも風味は落ちていると考え、迷ったら使わないでください。
醤油は開封後どれくらいで使い切る?
メーカーで目安が違うため、判断の目安の表と手元の商品の表示を確認してください。
醤油に白いカビが浮いていたら?
ほかのカビとの見分けが難しいため、本記事では使わないことをすすめます(一般的な注意)。
密封ボトルの醤油も冷蔵庫に入れるべき?
キッコーマンは、「いつでも新鮮」シリーズは開栓後も常温で色・味・香りを保つとしています。保存方法は、手元の商品の表示を確認してください。
ほかの調味料の期限切れは、賞味期限切れのマヨネーズと賞味期限切れの油で確認できます。
まとめ
醤油の賞味期限は、未開封で表示どおり保存した場合の期限です。ヤマサは、過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないが、色が濃くなり風味が落ちるとしています。
開封後は、通常のボトルなら冷蔵庫へ。密封ボトルは、商品に書かれた日数と保存方法に従います。
白い膜が出たもの、においや色に違和感があるものは使わないでください。迷ったら使わないでください。



