コーヒーの賞味期限切れは飲める?豆・粉・インスタント別に

コーヒーの賞味期限切れ(食材の困りごと辞典)

棚の奥から、使いかけのインスタントコーヒーの瓶が出てきた。賞味期限は半年前に過ぎている。コーヒー豆の袋や、箱買いした缶コーヒーでも同じように迷います。

コーヒーは、豆・粉、インスタント、缶やペットボトルで扱いが違います。メーカーの見解も分かれています。

結論:期限切れはメーカーによって見解が違う。開封済みや固まったものは飲まない

  • UCCは、賞味期限を過ぎた商品の使用はやめるよう案内しています
  • AGFは、期限切れのインスタントコーヒーはおすすめしていません
  • 全日本コーヒー協会は、インスタントは振って粉がサラサラなら差し支えないが、期限内をすすめるとしています
  • インスタントの開封後の目安:UCC・AGF・ネスレはいずれも1か月程度としています
  • レギュラーコーヒーの開封後の目安:UCCは粉7〜10日程度、豆1か月程度としています
  • 開けた缶・ペットボトル:口をつけたものやキャップのない缶は当日中。キャップを閉めて冷蔵なら2〜3日(UCC)
  • におい・固まり・容器の異常があれば飲まない。迷ったら飲まないでください
目次

賞味期限と消費期限の違い

農林水産省によると、消費期限は「安全に食べられる期限」です。賞味期限は「おいしく食べられる期限」です。

どちらも、袋や容器を開けずに、書かれた保存方法を守った場合の期限です。農林水産省は、一度開けた食品は期限に関係なく早めに食べるよう案内しています。

コーヒーの賞味期限も、未開封(未開栓)で保存した場合の、おいしく飲める期限です。

期限切れのコーヒーを飲むかどうかの判断の目安

期限切れのコーヒーについての案内は、メーカーや団体で分かれています。対象の条件も出典ごとに違います。

対象案内の内容出典
同社の商品(賞味期限が過ぎたもの)賞味期限は未開封でおいしく飲める期限。過ぎた商品の使用はやめるUCC
未開封のインスタントコーヒー(期限が過ぎたもの)風味が落ちておいしく飲めないと思われるため、おすすめしていないAGF
インスタントコーヒー(開封の有無を問わず、期限が過ぎたもの)風味が落ちておいしく飲めないと思われるため、すすめていないAGF
インスタントコーヒー(期限が過ぎたもの。開封の条件は示されていない)乾燥しているので、すぐに劣化して飲めなくなることはない。振って粉がサラサラなら差し支えない。おいしく飲むには期限内に全日本コーヒー協会
レギュラーソリュブルコーヒー(ネスカフェ。開封済みを含む)期限を過ぎてもすぐに飲めないわけではない。塊が解けないもの、開封済みで期限が大幅に切れたものは飲まないネスレ
同社の商品(賞味期限が過ぎたもの)すぐに飲めなくなるわけではないが、期限内に飲むことをすすめるサントリー
ポーションコーヒー(期限が過ぎたもの)使用はおすすめできないAGF

期限を何か月過ぎたら飲めない、という公式の線引きは見つかりませんでした。手元のコーヒーは、次の表を目安に判断してください。

状況判断の目安
未開封で表示どおり保存し、期限を少し過ぎた(豆・粉・インスタント)UCCは同社の商品の使用をやめるよう案内。AGFはインスタントについてすすめていない(全日本コーヒー協会はインスタントで振って粉がサラサラなら差し支えないとする)。迷ったら飲まない
未開封で、期限を大きく過ぎた公式の目安は見つかりませんでした。飲まないほうが安心(一般的な注意)
開封済みのインスタントで、期限も過ぎているネスレは、期限が大幅に切れたものは飲まないよう案内。飲まないほうが安心
インスタントの粉が固まっているUCCは飲用をやめるよう案内。AGFは硬く固まったものは控えるよう案内
未開封の缶・ペットボトルで、期限を少し過ぎた容器の膨らみ、へこみ、液漏れを確かめる。異常があれば飲まない。迷ったら飲まない
開けた缶・ペットボトルで、口をつけた、キャップのない缶、常温に置いていたその日のうちに飲み切る(UCC、アサヒ飲料)。翌日以降は飲まない(一般的な注意)

※出典を示していない部分は、公的機関やメーカーの情報で確認できなかった一般的な注意です。

飲まないほうがいいサイン

メーカーの案内で確認できたのは、次のとおりです。

  • インスタントコーヒーの粉が固まっている(UCCは飲用をやめるよう案内しています)
  • 硬く固まっている(AGFは、安全性の確認ができないため飲用を控えるよう案内しています)
  • 瓶を振っても塊が解けない(ネスレは飲用を控えるよう案内しています)
  • 開けた飲料を真夏の車内に置き忘れた(UCCは、開封済みなら飲用をやめるよう案内しています)
  • 開けた飲み残しの容器が膨らんでいる(日本コカ・コーラは、雑菌で発酵することがあるとしています)

このほか、次のようなコーヒーも飲まないでください。

  • 豆や粉、インスタントの粉にカビが生えている
  • 酸っぱいにおいや、いつもと違うにおいがする
  • 未開封の缶やペットボトルが膨らんでいる、液が漏れている、さびて穴があいている
  • ミルク入りの飲料で、酸っぱいにおいがする、ドロッとしている
  • 飲んだときに、いつもと違う味がした(それ以上飲まない)

※このすぐ上の5項目は、公的機関やメーカーの情報で確認できなかった一般的な注意です。

ひとつでも当てはまれば、飲まないでください。迷ったときも飲まないでください。

見た目は変でも品質の問題ではないとされる例

UCCは、同社のバルブ(ガスを外に出す弁)つきの袋のレギュラーコーヒーでは、膨らみは炭酸ガスのためだとしています。品質に問題はないとしています。缶やペットボトルの膨らみとは別の話です。

全日本コーヒー協会とネスレは、インスタントの白いクモの巣のようなものは、カフェインの析出と思われるとしています。

ネスレは、振っても消えないものは劣化が進んでいるとしています。カビとの見分けに自信がなければ、飲まないでください(一般的な注意)。

サントリーは、ミルク入り缶コーヒーの白い粒々は乳脂肪分が固まったものだとしています。品質には問題ないとしています。

子どもや高齢の人、体調がすぐれないとき

期限切れのコーヒーについて、子どもや高齢の人、妊娠中の人に限った公的な目安は見つかりませんでした。一般的な注意として、こうした家族には期限内のものを出すと安心です。

飲んだあとに腹痛や下痢、吐き気が出たら、早めに医療機関に相談してください。重い症状のときは119番、受診を迷うときは#7119(実施地域あり)に相談できます。

コーヒーの保存のしかた:開封前・開封後

開封前は高温・多湿を避けて常温で

開封前のレギュラーコーヒーは、直射日光、高温・多湿を避けて常温で保存します。インスタントは、開封前・開封後にかかわらず高温・多湿を避けます。

車内・ベランダ・屋外では、高温や直射日光で味が落ちたり、液色が変わったりすることがあります。UCCは、真夏の車内に置いた飲料は、未開封でも風味が落ちている可能性があるため飲用はすすめないとしています。開封済みなら飲用はやめるよう案内しています。

レギュラーコーヒー(豆・粉)の開封後

開封後は袋の口を閉じて密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。風味は酸素や高温、湿気で損なわれます。

項目UCCAGF
開封後の目安賞味期限の日付に関わらず、粉は7〜10日程度、豆は1か月程度常温2週間、冷蔵約1か月、冷凍約1か月
冷凍出し入れで水滴がつき湿気ることがある。冷凍するなら1回分ずつラップなどで小分けに冷蔵・冷凍保存をすすめる。出したら常温に戻してから封を開ける

AGFの目安は、豆と粉を分けずに「レギュラーコーヒー」として示されています。どちらも、冷凍庫からの出し入れで水滴がつき、湿気る点に注意しています。

ドリップバッグ(1杯分ずつ個包装のもの)の開封後の目安は、メーカーの案内を確認できませんでした。手元の商品の表示を見てください。

インスタントコーヒーの開封後

開封後の目安は、UCC・AGF・ネスレがいずれも1か月程度としています。全日本コーヒー協会も、約1か月で使い切るほうがおいしいとしています。

UCCは、開封後は賞味期限の日付に関わらず1か月程度を目安にするとしています。高温多湿を避けた常温保存が前提です。

冷蔵庫・冷凍庫に入れるかどうかは、メーカーで分かれています。

メーカー冷蔵・冷凍についての案内
UCC冷蔵庫・冷凍庫での保存は避ける。出し入れで水滴がつき、固まる原因になる
ネスレ冷蔵庫での保存は控える。温度差で結露し、吸湿の原因になる
AGF1か月を超えて保存するなら、密閉したまま冷蔵庫・冷凍庫へ。1か月以内なら常温が使いやすい。出したら室温に戻してから開けるか、容器の内側の水滴をよく拭き取る

どのメーカーも、湿気を防ぐことを重視しています。使うたびに蓋をしっかり閉め、ぬれたスプーンは入れないでください。

缶・ペットボトルのコーヒーの開封後

UCCは、直接口をつけて飲んだものやキャップのない商品は、その日のうちに飲み切るよう案内しています。コップに移して飲む場合は、冷蔵してキャップを閉め、2〜3日を目安にしています。

アサヒ飲料も、コップに取り分けて残りを冷蔵する場合は2、3日を目安にしています。直接口をつけた場合や常温保管の場合は、その日のうちとしています。

サントリーは、同社のチルド製品を、製造から販売まで0〜10℃で管理しているとしています。チルド飲料の常温保管は微生物の増殖につながる可能性があるため、10℃以下で冷蔵するよう案内しています。

カップ入りなどの冷蔵のコーヒーは、表示の期限の種類と保存方法を確かめてください。

飲料が凍ると、容器が膨らんだり亀裂が入ったりすることがあります。冷凍庫には入れないでください。

ポーションコーヒー

AGFは、ポーションコーヒーは常温で保存するよう案内しています。冷蔵・冷凍すると、凍って使いにくくなったり、成分が分離したりすることがあるとしています。

淹れたコーヒー

UCCは、抽出したコーヒーは時間とともに香りが失われ、酸味が強くなるとしています。冷めないうちに、なるべく早く飲むようすすめています。

期限切れのコーヒーの使い道

AGFは、期限の切れたインスタントコーヒーは「コーヒー染め」などに使えるとしています。期限の切れたレギュラーコーヒーの粉は、脱臭剤として使えるとしています。

脱臭効果は活性炭ほど強くはありません。抽出の前後に関わらず、においを吸着します。

カビが生えたものは、脱臭剤としても使わないでください(一般的な注意)。飲むための使い道ではありません。

よくある質問

賞味期限切れのコーヒー豆は飲める?

UCCは、賞味期限を過ぎた商品の使用はやめるよう案内しています。期限切れの豆について、飲める期間の公式の目安は見つかりませんでした。

賞味期限切れのコーヒー粉は?

UCCは、開封後の目安を粉は7〜10日程度、豆は1か月程度としています。期限切れの粉は、脱臭剤として使う方法もあります。

賞味期限切れのインスタントコーヒーは飲める?

全日本コーヒー協会は粉がサラサラなら差し支えないとし、AGFはおすすめしていません。固まっていたら飲まず、迷ったら飲まないでください。

賞味期限切れの缶コーヒーは?

サントリーは同社の飲料について、すぐに飲めなくなるわけではないが期限内をすすめるとしています。UCCは、期限を過ぎた同社の商品の使用はやめるよう案内しています。

缶の膨らみや液漏れがあれば飲まないでください(一般的な注意)。

コーヒーの袋がパンパンに膨らんでいたら?

UCCは、同社のバルブつきの袋のレギュラーコーヒーでは、炭酸ガスのためで品質に問題はないとしています。軽く押すとガスが抜けます。缶やペットボトルの膨らみとは別です。

開けた缶コーヒーは翌日も飲める?

口をつけたものやキャップのない缶は、その日のうちに(UCC)。コップに移し、キャップを閉めて冷蔵したものは2〜3日が目安です(UCC)。

ミルクを入れて飲む人は賞味期限切れの牛乳、緑茶やほうじ茶は賞味期限切れのお茶で確認できます。

まとめ

コーヒーの賞味期限は、未開封で表示どおり保存した場合の期限です。UCCは同社の商品について、AGFはインスタントについて、飲用をすすめていません。全日本コーヒー協会は、インスタントについて条件つきで差し支えないとしています。

開封後は、期限の日付より開けてからの日数が大事です。インスタントは1か月程度、レギュラーの粉は7〜10日程度(UCC)が目安です。

固まった粉、カビ、容器の膨らみや液漏れがあれば飲まないでください。迷ったら飲まないでください。

参考

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