ウインナーは生で食べられる?表示の見方と注意点

ウインナーの食べ方(食材の困りごと辞典)

朝のお弁当づくりで、ウインナーを焼く時間がない。袋から出してそのまま入れられたら楽なのに。子どもが冷蔵庫のウインナーをそのままかじっていて、ひやっとした経験がある人もいるかもしれません。

多くのウインナーは、工場で加熱済みです。ただし、加熱が必要な商品もあります。見分ける手がかりは、袋の表示です。

結論:「加熱食肉製品」と書かれたウインナーは、加熱せずに食べられる。生ウインナーは必ず加熱

  • 「加熱食肉製品」は製造時に加熱済みで、そのまま食べられる(伊藤ハム、日本ハム)
  • 生ウインナーや一部の無塩せきソーセージは加熱が必要。袋の食べ方を確かめる(伊藤ハム、日本ハム)
  • お弁当には、加熱してから十分に冷まして入れる
  • リステリアは加熱で死滅する。加熱して食べることは予防策の一つ。妊娠中や高齢の人は特に注意(厚生労働省)
目次

ウインナーは生で食べられる?

多くのウインナーは、加熱せずに食べられます。日本ハムは、ハムやソーセージ、ベーコンは既に加熱しているので、そのままでも食べられるとしています。

伊藤ハムも、袋に「加熱食肉製品」と表示された商品は、すでに加熱しているのでそのまま食べられるとしています。

ここでいう「生で」は、焼いたりゆでたりせずに、という意味です。ウインナーの多くは、工場で火が通った状態で売られています。

加熱が必要なウインナーもある

例外は、生ウインナーです。生ウインナーは製造時に加熱されず、生のまま売られています。

伊藤ハムは、生ウインナーは必ず中心部まで加熱調理してから食べるよう説明しています。食品衛生法上は「食肉製品」ではなく「食肉加工品」にあたります。

日本ハムも、無塩せきソーセージなど一部に加熱が必要な商品があるとしています。無塩せきとは、発色剤を使わずに肉を漬け込む製法です。

袋の表示で確かめる

加熱せずに食べられるかは、袋の一括表示(名称や原材料などをまとめた欄)で確かめます。「加熱食肉製品」か「食肉加工品」かを見ます。

食肉製品の4つの区分

日本食肉加工協会によると、食肉製品は加熱の条件や水分活性(食品中の、菌が使える水分の割合)の違いで4種類に分かれます。

区分製品の例製造のしかた
加熱食肉製品ロースハム、ウインナーソーセージ中心部を63℃で30分間、またはそれと同等以上加熱殺菌
特定加熱食肉製品ローストビーフ中心部を60℃で12分間、またはそれと同等以上加熱殺菌
非加熱食肉製品ラックスハム(生ハム)低温でくん煙または乾燥
乾燥食肉製品サラミソーセージ、ビーフジャーキーくん煙や乾燥で水分活性を0.87未満に

※日本食肉加工協会の理事による、厚生労働省のリスクコミュニケーション資料(2005年)の分類表にもとづきます。

伊藤ハムは、生ハムやドライソーセージなどの非加熱食肉製品と乾燥食肉製品は、加熱せずに食べるよう案内しています。

「包装後加熱」と「加熱後包装」

加熱食肉製品には、「包装後加熱」「加熱後包装」という表示もあります。包装後加熱は、袋に入れた状態で加熱したものです。

加熱後包装は、加熱したあとで袋に入れたものです。どちらも十分に加熱されている製品で、そのまま食べられるものが多いとしています。

日本ハムは、この場合も商品ごとの食べ方を、パッケージで確かめるよう呼びかけています。

「加熱してお召し上がりください」と書いてあるとき

袋に加熱して食べるよう書かれていたら、そのとおりに加熱します。日本ハムは、商品によって加熱が必要なものがあるため、パッケージの記載を確かめるよう案内しています。

加熱食肉製品でも、焼き方やゆで方が書かれていることはあります。伊藤ハムと日本ハムは、そのままでも食べられるが、加熱するとよりおいしくなるとしています。

加熱が必要な商品かどうか迷ったら、加熱して食べると安心です。

そのまま食べるときの手順

  1. 一括表示で「加熱食肉製品」かどうかを確かめる
  2. 袋の「召し上がり方」に、加熱が必要と書かれていないか見る
  3. 期限内かを確かめる。賞味期限は、表示の温度で保存した未開封での期限(伊藤ハム)
  4. 清潔な箸などで、食べる分だけ取り出す
  5. 残りは袋の口を閉じて冷蔵庫に入れ、早めに食べきる

※手順1〜3と、手順5の「早めに食べきる」はメーカーの案内にもとづきます。手順4と、袋の口を閉じて冷蔵庫に入れる点は一般的な工夫です。

生で食べるときの注意点:リステリア

加熱せずに食べる食品で気をつけたいのが、リステリア(食中毒を起こす細菌の一つ)です。厚生労働省によると、4℃以下の低温や12%の食塩濃度でも増えることができます。

厚生労働省が主な原因食品として挙げるのは、生ハムなどの食肉加工品やナチュラルチーズ、スモークサーモンなどです。冷蔵庫で長く保存し、加熱せずに食べる食品は原因になりえるとしています。

加熱済みのウインナー(加熱食肉製品)は、厚生労働省の例示に入っていません。リステリアは加熱で死滅し、加熱して食べることは予防策の一つとされています。

妊娠中・高齢の人・体調のよくない人

厚生労働省によると、妊娠中の人は胎児や新生児に影響が出ることがあります。65歳以上の人は重症化しやすく、死に至ることもあるとしています。

免疫の働きが落ちている人も注意が必要です。糖尿病や腎臓病、がんの人、ステロイド治療中の人などが挙げられています(厚生労働省)。

厚生労働省は、妊娠中の人は生ハムなどを避け、加熱された食品を食べるよう呼びかけています。こうした人がウインナーを食べるときは、加熱してから食べると安心です。

期限と保存を守る

厚生労働省は、リステリアの予防として、期限内に食べることと、開封後は速やかに食べきることを挙げています。

日本食肉加工協会の分類表では、加熱食肉製品の保存方法は10℃以下です。袋に書かれた保存方法を守ります。

具合が悪くなったら

厚生労働省によると、リステリアの症状は悪寒や発熱、筋肉痛などです。インフルエンザなどと区別が難しい場合があります。

意識がおかしいなど重い症状のときは、ためらわず119番に連絡します。

高齢の人や持病のある人、妊娠中の人は、発熱などがあれば早めに医療機関に相談します。妊娠中の人は、かかりつけの医師に相談してください。

※ウインナーを名指しした公的な案内は見つかりませんでした。妊娠中や高齢の人に加熱をすすめる点、迷ったら加熱する点、受診の目安、子どもや体調のよくない人への注意は、厚生労働省の予防策をふまえた一般的な注意です。

お弁当に入れるときは加熱して冷ます

加熱せずに食べられるウインナーでも、お弁当には加熱してから入れます。日本ハムは、パッケージの召し上がり方どおりに加熱するよう案内しています。

一度温めたものは、十分に冷ましてから詰めます。袋に「そのままお弁当に」と書かれた商品は、加熱せずに使えるとしています。

農林水産省も、火を通さなくても食べられるハムなども、できるだけ加熱するよう呼びかけています。

温かいうちに詰めると、蒸気が水分になって傷みの原因になります。長く持ち歩くときは、保冷剤や保冷バッグを使います。

魚肉ソーセージはそのまま食べられる?

魚肉ソーセージ(フィッシュソーセージ)は、そのまま食べられる商品です。Umios(旧マルハニチロ)は、製造工程で加熱処理済みなので、そのまま食べられるとしています。

同社によると、魚のすり身を詰めたあと、100度以上で加熱殺菌しています。お好みで焼くと、さらにおいしくなるそうです。

同社のフィッシュソーセージは、直射日光を避けて常温で保存します。内装フィルムを開けたあとは、必ず冷蔵庫に入れるよう案内しています。

※保存方法は商品によって違うことがあります。袋の表示を確かめてください。

生ハムはなぜ生で食べられる?

生ハムは「非加熱食肉製品」で、加熱せずにつくられます。日本ハムによると、法律で定められた方法で塩せき(塩などに漬け込むこと)した肉を、低温でくん煙・乾燥熟成させます。

製造時の温度管理や食塩濃度、乾燥方法などは、法律で細かく決められています。pHや水分活性などの条件を満たしてつくられています。

日本ハムは、凍結した原料肉を使うなど、食品衛生法の厳しい基準があるとしています。そのうえで、生ハムは加熱せずにそのまま食べるよう案内しています。

ただし厚生労働省は、妊娠中の人には生ハムを避けるよう呼びかけています。妊娠中で不安な場合は、かかりつけの医師に相談してください。

加熱したほうがよい場合

味の面では、加熱がすすめられています。日本ハムは、ウインナーやベーコンは加熱すると脂のうま味が引き出され、さらにおいしくなるとしています。

加熱すると脂が溶け出して、よりおいしくなります。

お弁当に入れるとき、妊娠中や高齢の人が食べるとき、袋に加熱の指示があるときも、加熱して食べます。

傷みの見分け方

ウインナーの傷みのサインを示す公式の案内は、見つかりませんでした。ここからは一般的な注意です。

  • 表面にぬめりや、糸を引くような粘りがある
  • 酸っぱいにおいや、いつもと違うにおいがする
  • カビが生えている、色が変わっている

こうしたものは加熱しても食べないでください。開封後に時間がたったものも、迷ったら食べないようにします。

よくある質問

ウインナーは生で食べられる?

袋に「加熱食肉製品」と表示されたものは、加熱せずに食べられます(伊藤ハム)。生ウインナーは、必ず中心まで加熱してから食べます。

ソーセージは生で食べても大丈夫?

日本ハムは、ソーセージは既に加熱しているので、そのままでも食べられるとしています。ただし、無塩せきソーセージなど加熱が必要な商品もあるため、パッケージを確かめます。

生ウインナーと普通のウインナーの違いは?

普通のウインナーは、製造時に加熱された「加熱食肉製品」です。生ウインナーは加熱されずに売られていて、「食肉加工品」にあたります。

生ハムはなぜ生で食べられる?

塩せきした肉を低温でくん煙・乾燥熟成させ、食塩濃度や水分活性などの条件を満たしてつくるためです。食品衛生法で製造の基準が決められています。

子どもにそのまま食べさせてもいい?

子どもに限った公的な注意は見つかりませんでした。「加熱食肉製品」で期限内のものを、開封後は早めに食べきるようにします。体調がよくないときは、加熱したものを選ぶと安心です。

食べきれないときの保存は、ウインナーの冷凍のしかたにまとめています。ハムについてはハムの冷凍保存で紹介しています。

まとめ

袋に「加熱食肉製品」と書かれたウインナーは、製造時に加熱済みで、そのまま食べられます。生ウインナーや、加熱の指示がある商品は、中心まで加熱します。

お弁当には、加熱してから十分に冷まして入れます。妊娠中や高齢の人は、リステリアに気をつけて、加熱して食べると安心です。

期限を守り、開封したら早めに食べきります。体調が悪くなったら、医療機関に相談してください。

参考

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