れんこんを1節買ったけれど、煮物にする時間がない。薄く切ってサラダにできたら楽なのに。でも、れんこんを生で食べるのは聞いたことがない、と迷う場面です。
れんこんは生でも食べられる野菜です。生で食べるなら、若い節のほうが向いています。穴の中までよく洗うことが前提です。
結論:れんこんは生で食べられる。若い節を選び、穴の中まで洗って薄く切る
- カゴメは「本来は生食できる野菜」と説明している
- 生で食べるなら、水分の多い若い節(先端側)のほうが向く
- 切ったらすぐ水か酢水にさらし、アクと変色をおさえる(キッコーマン、カゴメ)
- 生野菜として、流水でしっかり洗う(農林水産省)
れんこんは生で食べられる?
食べられます。カゴメは、加熱するメニューが多いものの、れんこんは本来は生食できる野菜だと説明しています。
補足として、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の宅配サービスのサイトのコラムも、生で食べられるとしています。かつお節メーカー小林食品のWebメディアも同じ見方です。
生で食べるなら若い節のほうが向く
生で食べるなら、水分の多い若い節(先端部)がよいです。
芽から2節目までは若く、繊維が細かく水分が多いです。
成熟した節は、繊維とでんぷんが多くなります。小林食品のWebメディアによると、成熟した節も生で食べられますが、食感や味が落ちます。成熟した節は加熱調理向きです。
生の食感と味
生のれんこんは、ポリポリ、シャキシャキした食感です。みずみずしく、自然の甘みがあります。
加熱すると食感が変わります。カゴメは、きんぴらや酢ばすではシャキシャキ、煮物ではホクホクした食感になると説明しています。
アクとえぐみ
れんこんのアクの主な成分は、タンニン(ポリフェノールの一種)です。空気にふれると酸化し、黒っぽくなります(JAグループ福岡)。
タンニンは鉄と結びついても黒くなります。
アク抜きが必要かどうかは、見方が分かれます。カゴメやキッコーマンは、酢水や水にさらす下ごしらえを紹介しています。
両社は、アクを抑えることと変色を防ぐことを目的に挙げています。一方、小林食品のWebメディアは、アクはポリフェノール類なので必ず抜く必要はないとしています。
生で食べたときに渋みやえぐみをどの程度感じるかは、公式の情報では確認できませんでした。気になる場合は水にさらしてから使う、というのは一般的な工夫です。
生で食べるときの下ごしらえ
生で食べるときは、穴の中の泥を落とすことと、切ってすぐに水か酢水にさらすことが大切です。
- 石けんで手を洗い、清潔な包丁とまな板を用意する
- れんこんを流水でしっかり洗い、泥を落とす
- 皮をむき、薄い輪切りや短冊切りにする
- 切り口と穴の中を流水で洗う
- すぐに水か酢水にさらす
- ざるに上げ、キッチンペーパーで水気をふき取る
農林水産省は、生で食べる野菜は食べる前に飲み水に適した流水でしっかり洗うよう案内しています。野菜にさわる前には、石けんで手を洗います。
穴の中の泥の落とし方
柔らかい泥は流水で落としやすいです。乾いて固くなった泥は、しばらく水につけてふやかすと洗い流しやすくなります。
同メディアは、短冊切りにすると穴の中まで洗いやすいとしています。輪切りなら5mmほどの薄切りにして洗う方法を紹介しています。
水と酢水のさらし方の目安
さらす時間や酢の量は、出典によって違います。
| さらし方 | 目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 水 | 切ったらすぐ5〜10分くらい。酢水でなく水だけでもよい | キッコーマン(下処理のページ) |
| 酢水 | 水1カップに酢小さじ1/2程度で4〜5分 | カゴメ |
| 酢水 | 水1リットルに酢小さじ1で5分ほど | キッコーマン(保存のページ) |
| 酢水 | 水500mlに酢小さじ1で約10分 | 日本生協連 |
| 水 | 約15分 | 日本生協連 |
酢水にさらすと白くシャキッとした食感になり、サラダ向きです。水だけのときは白さが保たれず、ホクホクした食感で煮物や揚げ物向きです。
生で食べるときの注意点
生で食べられる野菜でも、食中毒の心配がゼロになるわけではありません。れんこんは泥の中で育つため、洗い方には特に気をつけます。
細菌などの微生物は、土や水、動物の消化管など、あらゆる環境にいます。野菜を生で食べるときの注意は次のとおりです。
- 食べる前に、飲み水に適した流水でしっかり洗う(農林水産省)
- 野菜は切ると切り口で細菌が増えやすい。切ったら早めに食べる
- すぐ食べないときは、清潔な容器に入れて冷蔵庫へ
- 生の肉や魚の汁が、サラダなど生で食べるものにかからないようにする
- 色、におい、味がおかしいときは食べずに捨てる(農林水産省)
食べ過ぎに注意
かつお節メーカー小林食品のWebメディアは、生のれんこんを食べ過ぎないよう呼びかけています。食物繊維とでんぷんの消化で胃腸に負担がかかり、下痢をすることがあるという説明です。
同メディアによると、たくさん食べると腹痛や食欲不振も起こりやすくなります。生で食べるときは少量を添える程度にする、というのは一般的な工夫です。
子ども・高齢者・体調のよくない人
農林水産省は、体力が落ちている人や高齢者、子どもなど免疫力の弱い人が生野菜を食べるときは、十分な注意が必要としています。
妊娠中の人に向けた、れんこんの生食に限った公的な案内は見つかりませんでした。心配なときは、加熱した料理を選ぶほうが確実です。これは一般的な考え方です。
厚生労働省は、おなかが痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなったりしたら、医師に相談するよう呼びかけています。
※れんこんの生食と寄生虫や土壌由来の菌との関係を示す公的な情報は、見つかりませんでした。ここでは生野菜全般の注意として紹介しています。
生で食べるおすすめの食べ方
小林食品のWebメディアは、生のれんこんを使う料理として、梅干しとの和え物とピクルスを紹介しています。
- れんこんと梅干しの和え物:0.3cmの輪切りにしたれんこんを、梅干しのペーストと和える
- れんこんのピクルス:煮立てた調味液を人肌まで冷まし、短冊切りのれんこんを3時間〜半日漬ける
日本生協連のコラムでは、薄くスライスして酢水でアク抜きしたれんこんを、サラダにトッピングする食べ方を紹介しています。加熱する手順は書かれていません。
加熱したほうがよい場合
成熟した節は、繊維とでんぷんが多く、加熱料理に向きます。煮物ならホクホク、きんぴらならシャキシャキの食感が楽しめます。
カゴメは、薄めの輪切りの使い道として酢ばすやサラダを挙げています。生か加熱かは書かれていません。
サラダの中には、さっと加熱するレシピもあります。茨城県の食と農のポータルサイトには、薄切りを沸騰したお湯で1分弱湯通しする、れんこん農家のサラダが載っています。
キユーピーのれんこんの梅マヨサラダも、600Wの電子レンジで約1分加熱してから和えています。生の食感が気になるときは、こうした方法を選ぶのも一般的な工夫です。
加熱するときは、短めにします。栄養素を壊さないよう、加熱時間は短めにします。
炒める場合は、切ったあと水にさらしておきます。アクリルアミド(高温で調理したときに食品中にできる物質)を減らすためです。農林水産省は、れんこんの実験で、水にさらしたかどうかでアクリルアミドの濃度に大きな差が出たとしています。
鮮度・傷みの見分け方
生で食べるなら、新鮮なものを選びます。公式情報で確認できた選び方と見分け方は次のとおりです。
- 太くてまっすぐで、重量感がある
- 全体がふっくらして、穴の大きさがある程度そろっている
- 穴の中が黒くなく、表面がしっとりしている。断面も黒くない(日本生協連)
- 皮にハリがあり、キズがない。切り口がみずみずしい
穴の中や皮の黒ずみ
キッコーマンによると、れんこんは収穫から時間がたつと茶色くなります。鮮度が落ちたものは、皮や切り口、穴の中まで変色します。
同社は、色が変わった部分は食べられるものの、白さを生かす料理には向かないとしています。これは加熱も含めた一般的な説明です。
黒ずみは場面で分けて考えます。自分で切った直後に断面が黒くなるのは、タンニンが空気にふれて酸化するためです。
買ったときに切り口や穴の中が変色しているのは、鮮度低下の目安です。生で食べるなら、変色の少ないものを選びます。
食べないほうがよいサイン
キッコーマンは、れんこんは常温ではカビが生えやすいとして、冷蔵保存をすすめています。ここからは一般的な注意です。
- カビが生えている
- ぬめりが出ている、押すとぶよぶよしている
- 酸っぱいにおいや、いつもと違うにおいがする
- 切ったとき、中から汁がにじみ出る
こうしたものは、加熱しても食べないでください。迷ったら食べないようにします。
よくある質問
蓮根は生で食べられる?
食べられます(カゴメ)。生で食べるなら、若い節のほうが向きます。
レンコンを生で食べるとおなかをこわす?
小林食品のWebメディアには、食べ過ぎると下痢をすることがあるという説明があります。量は控えめにします。
生のれんこんはアク抜きしないとだめ?
見方が分かれます。キッコーマンとカゴメは水や酢水にさらす方法を、小林食品のWebメディアは抜かなくてもよいという見方を紹介しています。
れんこんの穴の中が黒いけど、生で食べられる?
穴の中まで変色したものは、鮮度が落ちています(キッコーマン)。同社は色が変わった部分も食べられるとしています(加熱も含めた一般的な説明で、生食についての記述ではありません)。
生で食べるなら、穴の中が黒くないものを選びます(日本生協連)。
皮ごと生で食べられる?
皮ごと生で食べることについての公式な案内は、見つかりませんでした。この記事では、皮をむいてから使う手順で紹介しています。
同じ根菜のごぼうは、ごぼうの冷凍のしかたで保存方法を紹介しています。ほかの野菜の生食については、ズッキーニは生で食べられる?で紹介しています。
まとめ
れんこんは生で食べられます。向いているのは、水分が多く繊維の細かい若い節です。成熟した節も生で食べられますが、食感や味が落ちるため加熱料理向きです。
生で食べるときは、穴の中の泥まで流水でよく洗います。薄く切り、すぐに水か酢水にさらすと、黒くなるのを防げます。
食べ過ぎるとおなかをこわすことがある、という説明もあります。量は控えめにします。穴の中まで変色したものや、においのおかしいものは生で食べないようにします。



参考
- カゴメ「[れんこん]栄養や選び方、保存や下ごしらえ、切り方などまとめ」
- 日本生活協同組合連合会(コープ宅配サイトのコラム)「れんこんは生で食べられる? アク抜きから食べ方まで、れんこんの魅力を解説」
- 小林食品(Webメディア「和食の旨み」)「れんこんを生で食べる際の注意点と『あく』を抜く必要がない理由」
- キッコーマン「れんこんの下処理」
- キッコーマン「れんこんの保存方法!冷蔵・冷凍・常温別の長持ちさせる方法と保存期間も紹介」
- JAグループ福岡「れんこん」
- 茨城をたべよう(茨城県)「シャキシャキ!れんこんサラダ」(レシピ提供:なかよし蓮根吉田農園)
- キユーピー「れんこんの梅マヨサラダ」
- 農林水産省「生野菜を安全でおいしく食べるために」
- 農林水産省「家庭調理でできること」(アクリルアミド)
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
