豆苗を買ったけれど、炒める時間がない。洗ってそのままサラダにのせられたら楽なのに。
豆苗は生で食べられます。生産者の村上農園は、生のままサラダにする食べ方を紹介しています。ただし、家で再生栽培した豆苗は扱いが変わります。
結論:買ってきた豆苗は生で食べられる。再生栽培したものは加熱をすすめる情報がある
- 豆と根を切り落とし、流水でさっと洗って食べる(村上農園)
- アクがないので、下ゆでは要らない(村上農園)
- 明治の食育サイトは、再生栽培した豆苗は加熱して食べるよう書いている
- 購入後2〜3日を目安に食べる。冷凍したものは生食に向かない(村上農園)
豆苗は生で食べられる?
生で食べられます。村上農園は、豆苗の食べ方として炒め物や和え物と並べて「生のままサラダ」を挙げています。
同社の豆苗研究会のページは、同社の豆苗について説明しています。屋内の施設で農薬を使わず衛生的に栽培しているため、流水でさっと洗うだけで食べられる、としています。
豆苗は、えんどう豆の若い芽です。同社の豆苗の種は、アメリカ、イタリア、オーストラリア、カナダのいずれかで採れたものです。
生の味は好みが分かれる
生で食べると、加熱したときより豆の香りを強く感じやすくなります。好みが分かれるため、少し試食してから使うと安心です。
豆と根は食べない
村上農園によると、豆苗の豆と根は食べられません。苗の根元は、食べることを想定して栽培していないためです。
生で食べるときの下ごしらえ
村上農園の豆苗研究会は、アクがないので下ゆでしてアク抜きをする必要はないとしています。ほうれんそうとは違う点です。
- 豆の上2cmを目安に切り、豆と根を除く
- 流水でさっと洗う
- 食べやすい長さに切る
この順番は、豆苗研究会のページの案内です。同社のQ&Aは、水でさっと洗ってから根元と豆を切り落とす順で書いています。
サラダが水っぽくならないよう、洗ったあとは水気を切っておきます。これは一般的な工夫です。
カゴメも、豆から2cmくらい上で根元を切る方法を紹介しています。こちらは冷蔵保存の手順としての説明です。
再生栽培もするなら切る位置を上げる
村上農園は、再生栽培もする場合は1cmほど長く茎を残して切るようすすめています。根元の小さな芽(脇芽)の上あたりです。
同社の検証では、この脇芽を残したほうが育ちが早く、2日早く収穫できました。
包丁やまな板の扱い
厚生労働省は、ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗うよう案内しています。生の肉や魚を切った包丁やまな板は、洗ってから熱湯をかけて使います。
生で食べる野菜に、肉や魚の汁がかからないようにすることも挙げられています。
生で食べるときの注意点
発芽野菜の衛生:国の情報
厚生労働省の腸管出血性大腸菌Q&Aは、原因食品の例に貝割れ大根を挙げています。腸管出血性大腸菌は、O157など重い食中毒を起こす菌です。
同じQ&Aでは、WHOの専門家会議で生食用の発芽野菜が原因として指摘されたとしています。豆苗を名指しした記述ではありません。
農林水産省は、スプラウト(発芽野菜)の栽培に適した温度や湿度は、微生物にも適していると説明しています。生産者向けの衛生管理指針での説明です。
豆苗の調査結果
農林水産省は、平成30年度から令和元年度にスプラウトの微生物を調べています。調査協力が得られた事業者を対象にした調査です。
対象の品目は、かいわれ大根、ブロッコリースプラウト、豆苗です。
豆苗は146点を調べました。腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、リステリア、大腸菌は検出されませんでした。
生産者のもとで、出荷前の包装された製品を調べた結果です。
同省は、流通から食べるまでの段階でも衛生管理が欠かせないとしています。野菜の洗浄、手洗い、清潔な調理器具、適切な温度管理です。
洗うことと加熱することは同じではない
厚生労働省のQ&Aは、野菜の腸管出血性大腸菌の除菌についてふれています。100℃の湯で5秒間程度の湯がきが有効という説明です。洗うだけで同じ効果があるとは示されていません。
生で食べるなら、新しいものを選び、洗ってから早めに食べます。心配なときは、熱湯でさっと湯がく方法もあります。
再生栽培した豆苗は加熱をすすめる情報がある
明治の食育サイトは、再生栽培した豆苗は生のまま食べずに加熱して食べるよう書いています。子どもの自由研究向けのページで、理由は書かれていません。
確認できた根拠は、この明治のページだけです。村上農園は、再生した豆苗を生で食べてよいかには触れていません。
村上農園は、夏場など室温が高い時期や液体肥料を使うと、豆や根が腐りやすくなるとしています。豆にカビが生えたり異臭がしたりしたら、再生栽培を中止します。
カゴメも、カビや異臭が出たときは捨てるよう書いています。
- 水は夏は1日2回以上、ほかの季節も1日1回は替える
- 根だけが浸る水位にする。豆まで水に浸ると腐る原因になる
- 肥料水より水だけのほうがよい。肥料水は藻が出やすい
- おいしく食べられる再生栽培の目安は2回まで(村上農園)
子ども・高齢者・体調のよくない人
厚生労働省は、腸管出血性大腸菌について、小児や高齢者は重い合併症を起こしやすいとしています。溶血性尿毒症(腎臓の働きが急に悪くなる重い合併症)や脳症です。
豆苗に限った、子どもや妊娠中の人向けの公的な注意は見つかりませんでした。小さな子ども、高齢の家族、妊娠中の人、体調のよくない人の分は、加熱すると安心です。
※加熱すると安心、はこの記事の判断で、一般的な注意です。
食べて具合が悪くなったら
厚生労働省は、下痢の原因を確かめるため、医師の診察を受けるよう呼びかけています。激しい腹痛と血便があるときは、特に注意が必要だとしています。
血便が出たら、すぐに医療機関を受診します(厚生労働省)。
ぐったりしている、意識がおかしいなどのときは、ためらわず救急車(119番)を呼びます。受診先に迷うときは、住んでいる地域の保健所にも相談できます。
生で食べるおすすめの食べ方
メーカーや生産者の公式レシピから、豆苗を加熱せずに使うものを挙げます。
- 豆苗と大根のパリパリサラダ:豆苗と太めの千切りの大根を、ごま油と鶏ガラスープの素であえる(村上農園)
- 豆苗とトマトのマヨぽんサラダ:豆苗とトマトを切り、マヨネーズとポン酢しょうゆのドレッシングで食べる(村上農園)
- 豆苗と豆腐のあえサラダ:長さを半分に切った豆苗を、豆腐やミニトマトとマヨネーズであえる(キユーピー)
村上農園は、生の豆苗のサラダレシピを特集ページにまとめています。その案内で、管理栄養士の牧野直子さんがコメントしています。
水溶性のビタミンB群やビタミンCを無駄なくとるには、生食がおすすめという内容です。
同じ豆苗のサラダでも、さっとゆでてから使うレシピもあります。キユーピーの「豆苗ツナマヨネーズサラダ」は、熱湯でさっとゆでています。
加熱したほうがよい場合
油を使って炒めると、豆苗に多く含まれるβカロテンが吸収されやすくなります。βカロテンは、体の中でビタミンAに変わる色素です。
生の豆の香りが苦手な人は、加熱料理が向きます。炒め物、和え物、スープなどがあります。
冷凍した豆苗も加熱して使います。村上農園は、冷凍すると生食には向かなくなるとしています。凍ったまま調理する方法もあります。
再生栽培した豆苗は、明治の食育サイトが加熱して食べるよう書いています。
鮮度・傷みの見分け方
カゴメが挙げる、新鮮な豆苗の特徴は次のとおりです。
- 葉が濃い緑色で、黄色くなっていない
- 茎がしっかりしていて、みずみずしい
- 根が白く、弾力がありそう
村上農園によると、豆苗は生鮮野菜なので決まった消費期限はありません。購入後2〜3日前後を目安に、早めに食べるよう案内しています。
すぐに使わないときは、未開封のまま立てて、冷蔵庫か野菜室で保存します。開封後は切って水気を切り、保存袋に入れて冷蔵室へ入れます。
傷みのサインを示す公式の案内は、見つかりませんでした。ここからは一般的な注意です。
- 葉や茎にぬめりが出ている
- 葉が溶けたようになっている、黄色や茶色に変わっている
- カビが見える、いつもと違うにおいがする
こうしたものは生では食べません。迷ったら食べないようにします。
よくある質問
豆苗は生で食べられる?
食べられます。村上農園は、水でさっと洗い、根元と豆を切り落として食べるよう案内しています。アク抜きは要りません。
家で再生栽培したものについては、明治の食育サイトが加熱して食べるよう書いています。
再生栽培した豆苗も生で食べていい?
明治の食育サイトは、生のまま食べずに加熱するよう書いています。理由の記載はありません。
村上農園は、再生した豆苗を生で食べてよいかには触れていません。カビや異臭が出たら栽培をやめる、としています。
生の豆苗が青臭い、豆くさいと感じたら?
村上農園は、生だと豆の香りを強く感じやすく、好みが分かれるとしています。気になるときは、油で炒めるなど加熱して食べます。
冷凍した豆苗はサラダにできる?
村上農園は、冷凍した豆苗は生食に向かないので、加熱調理に使うよう案内しています。
豆苗に農薬は使われている?
村上農園は、同社の豆苗は農薬を使わずに栽培しているとしています。ほかの生産者の豆苗については、各社の表示や案内を確かめてください。
同じ発芽野菜のブロッコリースプラウトの注意は、ブロッコリーは生で食べられる?でまとめています。えんどう豆の仲間では、スナップエンドウの生食も紹介しています。
まとめ
買ってきた豆苗は、生で食べられます。水でさっと洗い、豆の上2cmほどで切って、豆と根を除きます。
生だと豆の香りが強く、好みが分かれます。気になるときや、子どもや体調のよくない人が食べる分は加熱します。
再生栽培した豆苗は、明治の食育サイトが加熱して食べるよう書いています。カビや異臭が出たら、育てるのをやめて処分してください。


参考
- 村上農園「豆苗に関するQ&A」
- 村上農園 豆苗研究会「食べる前の下ごしらえ」
- 村上農園 豆苗研究会「再生栽培のコツ」
- 村上農園「おいしいのに知られていない!?『生の豆苗』の魅力を紹介するレシピ特集ページを公開」
- 村上農園「豆苗と大根のパリパリサラダ」
- 村上農園「豆苗とトマトのマヨぽんサラダ」
- 明治の食育「もう一度よみがえらせよう 豆苗 再生栽培を観察しよう!」
- カゴメ「豆苗は冷蔵も冷凍もOK!鮮度を保つ保存のコツと選び方」
- カゴメ「自由研究に!再生野菜=リボベジできる野菜と、簡単な栽培法」
- キユーピー「豆苗と豆腐のあえサラダ」
- キユーピー「豆苗ツナマヨネーズサラダ」
- 厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
- 農林水産省「スプラウト生産における衛生管理指針」(PDF)
- 農林水産省「スプラウトの微生物実態調査の結果(概要)」(PDF)
- 農林水産省「野菜の衛生管理に関する情報」
