かぼちゃを切ったら、思ったより硬い。煮る時間もないし、薄く切ってサラダにできたら楽なのに。
ふつうのかぼちゃは硬く、加熱して食べるものです。一方で、皮ごと生で食べられる「コリンキー」という品種もあります。
結論:生で食べやすいのはコリンキーの黄色い若い実。ふつうのかぼちゃは加熱向き
- コリンキーは若どりの実が皮ごと食べられ、サラダや浅漬けに向く(サカタのタネ)
- ふつうのかぼちゃは加熱向き。生で使う公式レシピは極細のせん切り(アサヒビール)
- 激しい苦味があるものは食べない。ククルビタシンという成分が含まれている可能性がある(長野県、岡山県)
- 観賞用のウリ科植物(飾り用の小さなかぼちゃを含む)は食べない(和歌山県、山口県)
- 強い苦味があれば、加熱しても食べない(食品安全委員会)
かぼちゃは生で食べられる?
品種によって答えが変わります。生で食べることを前提にした品種と、ふつうのかぼちゃで分けて説明します。
コリンキーは皮ごと生で食べられる
コリンキーは、サカタのタネが販売しているサラダ用のかぼちゃです。果皮も果肉も鮮やかなレモン色です。
サカタのタネは、未熟な実はやわらかくクセがなく、皮ごと食べられるとしています。歯ざわりがよく、サラダや浅漬けに向くと紹介しています。
サカタのタネの「カボチャ『コリンキー』」のページでは、収穫は開花後10〜15日、300〜1,000g程度です。未熟果を収穫する品種です。
同じページでは、レモン色からオレンジ色に色づき始めた範囲で、用途に応じて収穫するとしています。「サラダカボチャ『コリンキー』」のページには、とり遅れたらジャムにとあります。
兵庫県南あわじ市も、コリンキーを「皮ごと生食できるかぼちゃ」と紹介しています。若どりの実は黄色で、追熟するとオレンジ色になるそうです。
追熟すると甘みは増しますが、皮が固くなります。オレンジ色になったら、皮をむいて食べるのがすすめです。
生で食べるなら、黄色い若い実を選びます。サカタのタネが皮ごと食べられるとしているのは、未熟果です。
ふつうのかぼちゃは硬く、加熱向き
スーパーでよく見るかぼちゃの多くは、西洋かぼちゃです。JAグループ茨城によると、市場の9割を占めています。
西洋かぼちゃは加熱するとホクホクするため、クリカボチャとも呼ばれます。
硬さについては、メーカーも触れています。キユーピーは、固くて切りにくいときは電子レンジで約1分加熱すると切りやすいとしています。
ふつうのかぼちゃを生で使うメーカーレシピもあります。アサヒビールの「かぼちゃのはりはりサラダ」です。
皮付きのままピーラーで薄く切り、極細のせん切りにしています。シャキシャキした食感になると紹介されています。
※このレシピは材料を「かぼちゃ」とだけ書いており、品種の指定はありません。ふつうのかぼちゃを生で食べてよいと公的機関が示した情報は、見つかりませんでした。
生で食べるときの下ごしらえ
コリンキーとふつうのかぼちゃで、切り方が変わります。どちらも、薄く切るのが共通点です。
- 流水で皮の表面をこすり洗いし、水気をふく
- 半分に切り、スプーンで種とワタを取る
- 切り口を少しかじって、激しい苦味がないか確かめる
- コリンキーは皮ごと薄くスライスする。ふつうのかぼちゃはピーラーで薄く切り、極細のせん切りにする
- コリンキーは軽く塩もみしてもよい。ふつうのかぼちゃのせん切りは冷水に5分ほどさらし、水気をしっかり切る
味見の手順は、長野県と和歌山県の案内にもとづきます。調理前に実や茎を切って、軽く味見をします。
コリンキーの切り方は、サカタのタネにもとづきます。スライスしてドレッシングで食べるほか、軽く塩もみしてサラダにする方法を紹介しています。
ふつうのかぼちゃの切り方と水にさらす手順は、アサヒビールのレシピにあります。種とワタを取る手順は、加熱レシピでも同じです。
ラップしてある野菜やカット野菜も、よく洗います。皮をこすり洗いする方法は、ふだんの下ごしらえです。
※硬いかぼちゃを包丁で切るときは、切り口を下にして安定させます(カゴメ)。生の肉や魚を切ったまな板や包丁は、洗って熱湯をかけてから使います(厚生労働省)。
生で食べるときの注意点:苦味に気をつける
かぼちゃはウリ科の野菜です。ウリ科の植物は、ククルビタシン(ウリ科の植物がもつ苦味の成分)を含むことがあります。
岡山県によると、食用のウリ科植物には、ふつうククルビタシンは含まれていません。ただし、観賞用と食用の品種が交雑すると、含まれることがあるとしています。
激しい苦味があるものは食べない
長野県と岡山県は、ウリ科の例としてかぼちゃを挙げています。食べて激しい苦みがあれば、食べないよう呼びかけています。
和歌山県も、食用のウリ科植物の例にカボチャを挙げています。苦味が強すぎる場合は食べないようにとしています。
山口県は、キュウリやカボチャ、メロンなどにククルビタシンが含まれることがあるとしています。腹痛や下痢などの症状が出る場合があるとしています。
長野県はこの注意のなかで、症状を唇のしびれ、吐き気、おう吐、下痢としています。食べてから数分〜数時間で出るとされています。
※長野県のページは、ユウガオの食中毒事例を中心にした注意喚起です。かぼちゃで起きた事例の紹介ではありません。
加熱しても苦味成分はなくならない
食品安全委員会(キュウリ・ズッキーニの記事)は、ククルビタシン類は加熱しても分解されないとしています。成分そのものについての説明です。
強い苦味のあるかぼちゃは、生で食べないだけでは足りません。煮たり焼いたりしても食べないと覚えておきます。
観賞用のウリ(飾り用のかぼちゃ)は食べない
ハロウィンの時期に、花屋などで小さな飾り用のかぼちゃを見かけます。お花屋さんで売られるおもちゃカボチャも、ペポカボチャの一種です。
和歌山県は、観賞用のウリ科植物にはククルビタシン類が含まれているとしています。多くとると、腹痛や下痢などの食中毒を起こすことがあります。
和歌山県は「観賞用のウリ科植物についた実は食べないようにしましょう」と呼びかけています。山口県も、観賞用のウリは食べないよう呼びかけています。
どちらも、かぼちゃを名指しした文言ではありません。飾り用のかぼちゃもウリ科なので、同じように食べないでください。
苦味の成分は加熱しても分解されません(食品安全委員会)。飾ったかぼちゃは、煮ても焼いても食べないようにします。
和歌山県は、食用のウリ科植物についても注意しています。「観賞用のものと交雑するなどして、ククルビタシン類を多く含む株が発生することがあります」としています。
種類がわからないものは「採らない・食べない・売らない・人にあげない」が基本です(和歌山県)。
※家庭菜園で種をとって育てた実は、交雑している場合があるため、味見をしてから使うと安心です。これは和歌山県の説明をふまえた一般的な注意です。
食べてしまったとき、体調が悪くなったとき
食品安全委員会(キュウリ・ズッキーニの記事)は、強い苦味を感じたら食べないよう呼びかけています。おう吐や下痢などがあれば、医師に相談してください。
意識がおかしい、おう吐が止まらないなど重いときは、ためらわず119番に連絡します。
受診すべきか迷うときは、日本中毒情報センターの「中毒110番」に相談できます。一般向けは大阪072-727-2499、つくば029-852-9999です。
※小さな子ども、高齢の方、妊娠中の方、体調のよくない方への注意を探しました。かぼちゃの生食に限った公的な注意は見つかりませんでした。一般的な注意として、食べさせる前に大人が味見をし、体調が心配なときは加熱したものを選ぶと安心です。
生で食べるおすすめの食べ方
種苗会社、自治体、メーカーの公式サイトで紹介されている食べ方です。
- コリンキーのサラダ:スライスしてドレッシングで食べる。軽く塩もみすると黄色が引き立つ
- コリンキーの浅漬け、キムチ、ぬか漬け
- コリンキーのマリネ風サラダ:種を取ってスライスし、塩、こしょう、酢、オリーブオイルで味をつける(南あわじ市)
- かぼちゃのはりはりサラダ:極細のせん切りを冷水にさらし、柑橘としょうゆのドレッシングで和える(アサヒビール)
生のかぼちゃのサラダは、どれも薄く切って使っています。加熱したかぼちゃサラダとは、食感がまったく違います。
加熱したほうがよい場合
ホクホクした甘さを楽しみたいときは、加熱します。西洋かぼちゃは、加熱するとホクホクします。
電子レンジを使う方法もあります。キユーピーは、ひと口大に切ってラップをかけ、600Wで約5分加熱しています。
切る前に電子レンジで加熱して、やわらかくしてから切る方法もあります。硬くて包丁が入りにくいときに役立ちます。
コリンキーは、炒め物や煮びたしにする食べ方もあります。炒め物は、加熱しすぎないようにします。
オレンジ色に熟したコリンキーは皮が固くなるので、皮をむいて使います(南あわじ市)。とり遅れたら、ジャムにする使い方もあります。
熟して皮がかたくなったものは、加熱料理に回すと使いやすいです。
鮮度・傷みの見分け方
新鮮なかぼちゃの選び方は、カゴメとJAグループ茨城が紹介しています。
- 丸ごとなら、ヘタがよく乾いていて、皮がかたく締まり、ずっしり重い
- 硬くがっしりして、重量感がある(JAグループ茨城)
- カットなら、肉質が緻密で、種が大きく密集してすき間がない
JAグループ茨城によると、丸ごとは10℃前後の風通しのよい場所で1〜2か月です。カットしたものは種とわたを取ってラップで包み、冷蔵で4〜5日です。
コリンキーの選び方や保存期間を示した公式の案内は、見つかりませんでした。生で食べるなら、買ってから早めに使うほうが安心です。
傷みのサインを示す公式の案内も、見つかりませんでした。ここからは一般的な注意です。
- 切り口やワタのまわりがやわらかく、溶けたようになっている
- 表面や切り口にカビが生えている
- 酸っぱいにおいや、いつもと違うにおいがする
傷んだものは食べないでください。迷ったら食べないようにします。
よくある質問
生で食べられるかぼちゃはある?
あります。サカタのタネのコリンキーは、若い実を皮ごと食べられ、サラダや浅漬けに向くとされています。南あわじ市も「皮ごと生食できるかぼちゃ」と紹介しています。
ふつうのかぼちゃを生で食べてもいい?
アサヒビールには、かぼちゃを極細のせん切りにして生で使うレシピがあります。品種の指定はありません。
ふつうのかぼちゃの生食について、公的な案内は見つかりませんでした。ホクホクした食感は加熱で出ます。
生のかぼちゃが苦いときは?
激しい苦味があれば、食べるのをやめます(長野県、岡山県)。苦味の成分は加熱しても分解されないので、煮ても食べないでください(食品安全委員会)。
ハロウィンの飾りのかぼちゃは食べられる?
食べないでください。和歌山県は「観賞用のウリ科植物についた実は食べないようにしましょう」としています。
かぼちゃの名指しではありませんが、飾り用のかぼちゃもウリ科です。苦味の成分は加熱しても分解されません(食品安全委員会)。
コリンキーの皮はむく?
生で食べるなら、黄色い若い実を選びます。皮ごと食べられるのは未熟果です(サカタのタネ)。
オレンジ色に熟したものは皮が固くなるので、むいて食べるのがすすめです(南あわじ市)。
同じかぼちゃの仲間の注意点は、ズッキーニを生で食べるときの注意でまとめています。ほかの野菜は生で食べられる野菜のまとめで紹介しています。
まとめ
生で食べやすいのは、コリンキーのような生食向きの品種です。若い黄色の実を皮ごと薄く切り、サラダや浅漬けにします。
ふつうのかぼちゃは加熱向きで、生食についての公的な案内はありません。生で使うレシピは、ピーラーで極細のせん切りにしています(アサヒビールのレシピ)。
どちらも、切ったら少し味見をします。激しい苦味があれば加熱しても食べず、飾り用のかぼちゃなど観賞用のウリ科植物は食べないでください。


参考
- サカタのタネ「カボチャ『コリンキー』」
- サカタのタネ「サラダカボチャ『コリンキー』」
- 南あわじ市「コリンキー:南あわじの野菜&レシピの紹介」
- 農林水産省「カボチャの品種について教えてください。」
- 内閣府 食品安全委員会 公式ブログ「キュウリ、ズッキーニが苦かったら?」
- 長野県「激しい苦みのあるウリ科植物にご注意ください」
- 岡山県「激しい苦みのあるウリ科植物にご注意ください」
- 和歌山県「ウリ科野菜・果物の苦味が強すぎると感じたら」
- 山口県「食の安心・安全メール・第59号」
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
- アサヒビール「かぼちゃのはりはりサラダ」
- キユーピー「アレンジ簡単!かぼちゃサラダの基本レシピ」
- カゴメ「かぼちゃ:楽な切り方と下ごしらえ、冷凍&冷蔵保存のコツ」
- カゴメ「かぼちゃの切り方:下ごしらえと料理別の切り方」
- JAグループ茨城「かぼちゃ」
- 日本中毒情報センター
