セリは生で食べられる?洗い方とドクゼリの注意

セリの生食(食材の困りごと辞典)

セリを1束買ったけれど、鍋にするほどの量ではない。刻んでサラダや和え物にできたら楽なのに。そんなときに迷うのが、セリを生のまま食べてもいいのか、という点です。

セリはメーカーのレシピでも生で使われています。ただし、野山や田んぼのあぜで摘んだセリは、有毒なドクゼリとの取り違えに注意が必要です。

結論:セリは生で食べられる。ただし自分で摘んだものはドクゼリとの取り違えに注意

  • セリは生食できる野菜として、生のまま和えるレシピが紹介されている(ニッスイ)
  • セリやクレソンなど水辺に生える野菜は、寄生虫(肝蛭)の予防のためよく洗って食べる(食品安全委員会)
  • ドクゼリは若葉がセリに似ていて、誤って食べると重い中毒になる(厚生労働省)
  • 食用と確実にわからない野草は、採らない・食べない(厚生労働省)
目次

セリは生で食べられる?

生で食べられます。ニッスイのレシピは、セリは生食できる野菜なので、香りを楽しむなら生のままで、としています。

くせが気になる人は、さっと塩ゆでしてもよいです。生で食べるか加熱するかは、香りの好みで選べます。

生のセリを使ったサラダのレシピもあります。葉は生のまま、茎はさっとゆでて使う方法もあります。

根は生で食べる?

根も一緒に食べるのがおいしさのカギです。宮城県の県産品サイトでは、せり鍋で根を30秒ほど加熱する食べ方を紹介しています。

確認した公式情報に、根を生で食べる方法を紹介したものは見つかりませんでした。根は泥が残りやすいため、鍋やおひたしなど加熱料理に使うと安心です。

※根を加熱料理に使う、は公的な案内ではなく一般的な工夫です。

生で食べるときの下ごしらえ

生で食べるときの洗い方と切り方は、仙台市とニッスイのレシピにもとづきます。

  1. セリを水で洗い、水気を取る
  2. 根元を切り落とし、5〜6cmの長さに切る(仙台市)。ニッスイは4cm幅程度
  3. たっぷりの水に5分ほどさらし、水気をよくきる(仙台市)

水にさらすとシャキッとします。水気をしっかりきると、ドレッシングがからみやすくなります。

食品安全委員会は、寄生虫の予防策として、セリやクレソンなど水辺に生える野菜はよく洗って食べるよう呼びかけています。

※葉の重なったところや茎の間まで流水でていねいに洗う、は一般的な注意です。洗うことで寄生虫などをすべて取り除けるとする公的な情報はありません。

厚生労働省は、生の肉や魚を切った包丁やまな板で、続けて生で食べる野菜を切らないよう呼びかけています。使うときは、洗ってから熱湯をかけます。

根を使うときの洗い方

次の洗い方は、鍋や加熱料理向けの記事で紹介されているものです。根についた土は、たわしや歯ブラシでしっかり洗います。

ニチレイフーズは、流水で洗いながら細く茶色い根を取り除く方法を紹介しています。水を張ったボウルに根を浸し、根の間の汚れを竹串などでかき出します。

生で食べるときの注意点:野生のセリとドクゼリ

セリの生食でいちばん注意したいのは、自分で摘んだものです。セリが育つ水辺には、よく似た有毒植物も生えています。

ドクゼリとは

厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」によると、ドクゼリは全草が有毒です。毒の成分は、シクトキシンなどのポリイン化合物です。

同じ資料では、葉の形がよく似ていて育つ場所も同じため、若葉をセリと間違える中毒事故が多いとしています。根茎(地下の茎)をワサビやガマと間違えた例もあります。

毒の成分は皮膚からも吸収されるので注意が必要、とも書かれています。

ドクゼリを食べるとどうなる?

厚生労働省の資料では、食べてから30分以内の短い時間で症状が出ます。嘔吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、耳鳴り、意識障害、けいれん、呼吸困難などです。

厚生労働省は、死亡する危険も大きいとしています。命に関わることもある中毒です。

資料には、宮城県の企業の職員食堂の例が載っています。ワサビと間違えて採ったドクゼリをすりおろして食べ、36人がけいれんなどを起こしました。

この例では12人が入院し、そのうち4人が集中治療を受けています。

青森県では、山菜と思って採ったドクゼリをおひたしにして食べ、手足のしびれや嘔吐が出た例もあります。

公的機関が示す違い

見分けについて公的機関が示している点は、次のとおりです。多くは、ドクゼリが大きく育った時期の特徴です。

  • 生長して大きくなると、ドクゼリは草丈60〜100cmほどになる。花は6〜8月ごろ(厚生労働省)
  • 生長期のドクゼリの根茎は、中空で節があり、タケノコのような形(厚生労働省)
  • ドクゼリの地下茎は緑色で太く、タケノコ状の節がある(東京都)
  • ドクゼリは芽を出したときから大きく、長い葉の柄が目立つ(東京都健康安全研究センター)
  • ドクゼリの葉にもほのかな香りはあるが、セリ独特の香りとは違う(厚生労働省)
  • ただし春先は草丈が短く、葉はセリ、根茎はワサビと間違いやすい。この時期は上の違いを当てにできない(厚生労働省)

厚生労働省は、生長期の根茎には辛みがないとも書いています。ただし、確かめるために口に入れることはしないでください。

※口に入れて確かめない、は一般的な注意です。

採る人に向けて、厚生労働省は摘むときに葉をもんで香りを確かめるよう書いています。新潟市も、若い葉はセリによく似ていて、同じ水辺に生えるとしています。

香りだけでは判断せず、迷ったら採らない・食べないようにします。

タガラシにも注意

広島県は、有毒なタガラシをセリと間違えて食べないよう呼びかけています。タガラシは、川や水田の近くなど、セリと同じような場所に生えます。

有毒成分はプロトアネモニンで、食べると吐き気や下痢などが出ることがあります。厚生労働省の集計では、平成28年から令和7年の10年間に、タガラシの食中毒が1件ありました。

水辺の野菜と寄生虫(肝蛭)

肝蛭(かんてつ)の卵は牛などのふんに含まれています。卵から出た寄生虫は水田や小川の貝の中で育ち、水中に出て水辺の植物にくっつきます。

その植物の例として挙げられているのが、クレソンやセリです。

人に感染する主な原因は、クレソンやセリなどについた寄生虫を口にすることです。感染すると、発熱や肝臓の障害などが起こるとされています。

食品安全委員会の予防策は、セリやクレソンなど水辺に生える野菜をよく洗って食べることです。

※野外で摘んだセリを生で食べないことは、公的な案内ではなく一般的な注意です。食用と確実にわかるものでも、摘んだものは加熱すると安心です。

摘むとき・もらうときの予防

  • 食用と確実に判断できない植物は、採らない・食べない・売らない・人にあげない(厚生労働省)
  • 山菜採りでは1本ずつよく確認し、調理の前にもう一度確かめる(厚生労働省)
  • 採るときと調理するときの両方で確認する(新潟市)

食べて具合が悪くなったら

厚生労働省は、野草などを食べて体調が悪くなったら、すぐに医師の診察を受けるよう案内しています。食べた植物が残っていれば、受診のときに持っていくと役立ちます。

けいれんや意識がおかしいなどのときは、ためらわず救急車(119番)を呼びます。

受診すべきか迷うときは、日本中毒情報センターの「中毒110番」に相談できます。一般の方向けは大阪072-727-2499、つくば029-852-9999で、どちらも365日24時間対応です。

※食べた植物を受診時に持っていく、は一般的な注意です。

子どもや体調のよくない人が食べるとき

セリの生食について、子どもや高齢の人、妊娠中の人に向けた公的な案内は見つかりませんでした。

※一般的な注意として、子どもや体調のよくない人には、お店で買ったセリをよく洗って使うか、さっとゆでたものを選ぶと安心です。

生で食べるおすすめの食べ方

メーカーや自治体の公式サイトで紹介されている、生のセリを使うレシピです。

  • かにかまとセリのごま和え:4cm幅に切った生のセリを、ごまとしょうゆの調味料で和える(ニッスイ)
  • セリのさっぱり和サラダ:5〜6cmに切ったセリを長ネギと水にさらし、豆腐や焼いた油揚げと盛る(仙台市)
  • セリとチキンのエスニックサラダ:葉は手でちぎって生のまま、茎は3〜4cmに切ってさっとゆでる(味の素)

どれも葉と茎を使うレシピで、根を生で使うものはありません。ごまやしょうゆ、ドレッシングと合わせています。

加熱したほうがよい場合

生の香りやくせが気になるときは、加熱します。くせが気になるなら、さっと塩ゆでしたものでもよいです。

ニチレイフーズのゆで方は、湯の1%の塩を入れ、茎から5秒ほどゆでてから全体を5秒ほどゆでる方法です。

煮過ぎると風味と栄養分が失われます。宮城県の県産品サイトは、せり鍋では根を30秒、茎と葉はさっと火を通す程度としています。

農林水産省が紹介する秋田県湯沢市の三関せりのレシピでも、葉と茎は軽く湯通しするだけです。根もゆですぎないようにするとしています。

鮮度・傷みの見分け方

新鮮なセリの特徴として、公式サイトが挙げているものです。

  • 香りが強く、葉の先までみずみずしい、濃い緑色のもの
  • 緑色が鮮やかで、葉がみずみずしく、茎が根元までしっかりしているもの
  • 茎がまっすぐで節が少なく、変色や折れのないもの

キッコーマンは、ラップか湿らせた新聞紙で包み、野菜保存袋に入れて冷蔵庫で保存するとしています。香りがなくなるので、2〜3日で使い切るよう書かれています。

根元を湿らせたキッチンペーパーで包み、袋に入れて野菜室に立てて保存する方法もあります。生で食べるなら、買ってから早めに使います。

  • 葉が黄色くなったり、黒ずんだりしている
  • 葉や茎にぬめりが出ている、溶けたようになっている
  • いつもと違うにおいがする

こうしたものは生では食べず、迷ったら食べないようにします。

※傷みのサインは公式の案内が見つからなかったため、一般的な注意として挙げています。

よくある質問

セリは生で食べられる?

食べられます。ニッスイは、セリは生食できる野菜なので香りを楽しむなら生のままで、としています。

水辺に生える野菜なので、よく洗ってから使います(食品安全委員会)。

野生のセリを摘んで生で食べてもいい?

おすすめしません。水辺には、セリに似たドクゼリやタガラシが生えています(厚生労働省、広島県)。

食用と確実に判断できないものは、採らない・食べないが基本です(厚生労働省)。

ドクゼリとセリは香りで見分けられる?

厚生労働省は、摘むときに葉をもんで香りを確かめるよう書いています。ただ、ドクゼリの葉にもほのかな香りがあり、春先は葉をセリと間違えやすいともしています。香りだけで判断せず、迷ったら採らない・食べないでください。

スーパーで買ったセリも注意が必要?

ドクゼリの事例として公的機関が挙げているのは、野山や水辺で採ったものです。お店で買ったものも、水辺の野菜としてよく洗って使います。

庭のニラとスイセンの取り違えは、ニラを生で食べるときの注意でまとめています。ほかの野菜は生で食べられる野菜のまとめで紹介しています。

まとめ

セリは生で食べられます。水辺の野菜なのでよく洗い、根元を落として短く切り、和え物やサラダに使います。

根はおいしく食べられる部分ですが、泥が残りやすいので、鍋やおひたしで加熱して使うと安心です。

注意したいのは、自分で摘んだセリです。ドクゼリやタガラシと間違えるおそれがあるため、迷うものは食べず、具合が悪くなったらすぐ受診してください。

参考

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