結論から言うと、近畿大学は関関同立に入っていません。産近甲龍の「近」です。
偏差値で比べても、関関同立の4校より下にいます。
ただし、近大は関西でいちばん「入りたがっている」大学です。志願者数は日本一。
新聞には「早慶近」という広告を出しました。最近は「関関同立近」という5文字の呼び名も、少しずつ使われるようになっています。
「関関同立 近大」「関関同立 近」という検索は、合わせて月に800回ほどあります。
近大は、関関同立より大きい
| 大学 | 大学群 | 1学年の入学定員 |
|---|---|---|
| 近畿 | 産近甲龍 | 8,315人 |
| 立命館 | 関関同立 | 8,144人 |
| 関西 | 関関同立 | 6,942人 |
| 同志社 | 関関同立 | 6,351人 |
| 関西学院 | 関関同立 | 5,710人 |
人数で比べると、近大は関関同立のどの大学よりも大きくなります。立命館より170人ほど多く、関西学院の約1.5倍です。
この5校の中で、1学年の人数がいちばん多いのは近大です。医学部も、薬学部も、農学部もあります。規模と学部のそろい方では、関関同立の4校にまったく引けを取りません。
志願者数は、11年連続で日本一だった
近大の強さがいちばんはっきり出るのは、志願者数です。
| 年度 | 近大の順位 | できごと |
|---|---|---|
| 2014年度 | 1位 | 初めて志願者数日本一になる |
| 2014〜2024年度 | 1位 | 11年連続で日本一 |
| 2025年度 | 2位 | 千葉工業大学に1位を譲る |
| 2026年度 | 1位 | 約17万5千人で日本一に返り咲く |
一般入試の志願者数で、近大は2014年度から11年連続で全国1位でした。2025年度は千葉工業大学に抜かれて2位になりましたが、2026年度には1位に戻っています。
志願者数日本一。関関同立の4校の、どこも持っていない肩書きです。
ただし、志願者数は「受けた人の数」で、「受かるのが難しいかどうか」とは別の数字です。受験料を安くしたり、1回の出願で何学部も受けられるようにしたりすれば、志願者数は増えます。
近大はそういう工夫がとても上手な大学です。
人気があることは間違いありませんが、志願者数で関関同立を抜いたからといって、偏差値で抜いたことにはなりません。
関関同立を飛び越えて、「早慶近」と名乗った
2017年の正月、近大は新聞に大きな広告を出しました。大きく書かれていたのは、「早慶近」の3文字です。
広告は、旧帝大、早慶上理、MARCH、関関同立、産近甲龍といった大学のくくりを並べたうえで、そろそろ見直してもいいのではないかと呼びかける内容でした。
締めの一文は「じゃあ今年からはもう、“早慶近”でどうですか?」です(広告の文面を紹介した記事による)。
根拠にされたのは、世界大学ランキングです。当時、そのランキングに入っていた日本の私立大学は、早稲田、慶應、近大だけだった、というのが言い分でした。
この広告の面白いところは、関関同立を相手にしていないことです。すぐ上にいる4校に「仲間に入れてほしい」とは言わず、その頭の上を通り越して、早稲田と慶應の隣に自分の名前を置きました。
隣の家の集まりに呼ばれないので、もっと遠くの立派な家の表札に自分の名前を書き足した、という話です。
もちろん冗談として作られた広告で、広告の賞も取っています。
ただ、冗談にしても、関関同立に入りたいのではなく、関関同立というくくり自体をどうでもいいものにしたい、という近大の気分がよく出ています。
「関関同立近」という呼び名は、広まるのか
最近は、「関関同立近」という言い方を見かけるようになりました。読み方は「かんかんどうりつきん」。新聞の記事や予備校のブログで、「広がりつつある」「使われることが増えてきた」と紹介されています。
同志社を別格として外し、残りを「関関近立」と呼ぶ言い方も、一部で使われています。こちらは関関同立から同志社を抜いて、近大を入れた形です。
ただ、どちらも定着したとは言えません。「関関同立」は4文字で語呂が良く、50年使われてきた言葉です。そこに1文字足すと、急に言いにくくなります。
「かんかんどうりつ」は口に出せますが、「かんかんどうりつきん」は、最後の「きん」が余ります。
大学群は、偏差値が追いついても、語呂が合わなければ入れません。近大は、志願者数でも人数でも関関同立を上回りましたが、4文字の中に空いている席がありません。
関西の序列で、近大の前に立ちはだかっているのは、4つの大学ではなく、4つの文字です。
偏差値では、まだ関関同立の下
| 大学 | 偏差値(下〜上) |
|---|---|
| 同志社 | 55.0〜62.5 |
| 立命館 | 50.0〜67.5 |
| 関西 | 50.0〜60.0 |
| 関西学院 | 50.0〜70.0 |
| 近畿 | 40.0〜55.0 |
河合塾のボーダー偏差値です。近大の医学部は除いています。関関同立は2025年8月、近大は2026年9月の数字で、時期が1年ずれています。
近大の上限は55.0。関関同立の4校は、いちばん低い関西大学でも上限60.0です。大学全体で見れば、まだはっきり差があります。
ただし、学部ごとに見ると、近大の法学部や建築学部は、関関同立の下のほうの学部と並ぶか、上回っています。
その細かい話は関関同立の下はどこかに書きました。
知恵袋では、関大生が「抜かれてもいい」と言っている
関西大学は偏差値が低いのに何故関関同立の中に入っているのですか?
回答の1つは、語呂が良いからです、と始まります。そして、正直、近大に抜かれてもいいのではないか、と続きます。回答した人は、自分は関大生だと書いています。
関関同立の中にいる人が、近大に抜かれてもいいと言っています。入れてもらいたい側が必死で、入っている側はあまり気にしていません。
これは、大学群の中と外でよくあることです。中にいる人にとって、大学群の名前は、最初から持っているものです。ありがたみを感じる機会がありません。
外にいる人にとっては、何年かけても手に入らないものです。
近大が新聞広告を出してまで言いたかったことを、関大生は知恵袋で、ひとことで済ませています。
- 関関同立とは:4校の基本
- 産近甲龍とは:近大のいる大学群
- 関関同立と産近甲龍はどっちが上か
- 産近甲龍の序列:近大が1位の理由
まとめ
- 近畿大学は関関同立ではなく、産近甲龍の「近」
- 1学年の定員は8,315人で、関関同立のどの大学より多い
- 一般入試の志願者数は2014〜2024年度に11年連続日本一。2025年度は2位、2026年度は1位
- 2017年に「早慶近」という新聞広告を出した
- 「関関同立近」という呼び名が使われ始めているが、定着はしていない
- 偏差値は40.0〜55.0で、関関同立(50.0〜70.0)より下
近大は、人数でも志願者数でも、関関同立の4校を上回っています。足りないのは偏差値が少しと、名前の中の席が1つです。偏差値は、あと何年かで追いつくかもしれません。席のほうは、50年前に4文字で締め切られています。
出典
- 入学定員: 各大学の公表資料と河合塾Kei-Net(2025〜2026年度)
- 志願者数: Kindai Picks(11年連続)、東洋経済オンライン(2025年度)、リセマム(2026年度、代々木ゼミナール集計)
- 「早慶近」広告: Kindai Picks、AdverTimes(読売広告大賞)、川上徹也氏のブログ(広告の文面)
- 「関関同立近」の呼び名: 産経新聞の記事(Kindai Picks転載)、四谷学院、武田塾 阪神甲子園校(関関近立)
- 偏差値: 関関同立の偏差値と産近甲龍の偏差値の記事で使った数字

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