旧帝大と早慶はどっちが上?論争は「東大と京大は除く」から始まる。外されるのは旧帝大の3分の1だった

旧帝大と早慶はどっちが上か

結論から言うと、旧帝大と早慶のどちらが上かは、決められません。受ける試験の形が違うので、同じ物差しで測れないからです。

ただ、この論争には、決まった作法があります。「東大と京大は除く」という一言です。

旧帝大7校のうち、上の2校を先に外してから、残りの5校と早慶を比べる。

旧帝大と早慶の論争は、ほとんどがこの形で行われています。外される2校は、旧帝大の人数の3分の1にあたります。

「旧帝大 早慶」は月に170回、「旧帝大 早慶 どっちが難しい」は110回検索されています。

目次

知恵袋では、最初に東大と京大が外される

早慶旧帝大論争、結局どっちが入試的に高難易度なんですか?東大京大は明らかに上なので除外します。

早慶と旧帝大の論争は、結局どちらが入試として難しいのか。東大と京大は明らかに上なので除外する、という質問です。

論争に「早慶旧帝大論争」という名前が付いています。名前が付くほど、長く続いているということです。

そして、本題に入る前に、東大と京大が外されています。「明らかに上なので」という理由です。

これは、この質問だけの話ではありません。旧帝大と早慶を比べる質問の多くに、同じ断り書きが付いています。「地方旧帝大と早慶」という言い方も、同じ意味です。

旧帝大は、北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州の7校です。そこから東京と京都を外すと、5校が残ります。

大学1学年の人数
外される2校東京・京都5,687人
残る5校大阪・東北・北海道・九州・名古屋11,450人
旧帝大7校の合計17,137人

2025年入試の募集人員です。

外される2校は、合わせて5,687人。7校の合計の33%です。旧帝大の3分の1を外してから、「旧帝大と早慶はどちらが上か」が始まります。

一方、早慶の側は、何も外されません。早稲田の政治経済学部も、慶應の医学部も、そのまま入っています。

片方はいちばん上を外し、もう片方は全員で出てくる。公平な試合ではありません。それでも、だれも文句を言いません。東大と京大を入れたままでは、勝負にならないからです。

私は京都大学の出身なので、外される側にいます。「明らかに上なので」と言われて、悪い気はしません。ただ、裏を返せば、この論争には呼ばれていないということです。会場の外から見ています。

残った5校と、早慶を並べる

大学偏差値(下〜上)受験の科目
外される2校東京67.5共通テスト6教科+2次試験
外される2校京都62.5〜67.5共通テスト6教科+2次試験
旧帝大の5校大阪55.0〜65.0共通テスト6教科+2次試験
旧帝大の5校東北52.5〜62.5共通テスト6教科+2次試験
旧帝大の5校北海道50.0〜67.5共通テスト6教科+2次試験
旧帝大の5校九州52.5〜60.0共通テスト6教科+2次試験
旧帝大の5校名古屋50.0〜62.5共通テスト6教科+2次試験
早慶早稲田62.5〜70.03科目が中心
早慶慶應義塾57.5〜72.52〜3科目と小論文など

河合塾のボーダー偏差値です。旧帝大は前期日程で、医学部医学科を除いています。京都は医学部人間健康科学科も除いた数字です。北海道の67.5は獣医学部です。慶應は医学部を含みます。くわしくは旧帝大の偏差値と早慶上理の序列に書きました。

偏差値の数字だけを見ると、早慶のほうが上です。早稲田の下限62.5は、九州大学の上限60.0より高くなっています。

ここで「早慶の勝ち」と言う人がいます。

しかし、右の列を見てください。旧帝大は、共通テストで6教科を受けたうえで、2次試験を受けます。早慶は、3科目が中心です。

偏差値は、同じ試験を受けた人の中での位置を表す数字です。6教科の試験の偏差値と、3科目の試験の偏差値は、別の集団の中での順位です。

100メートル走のタイムと、十種競技の得点を、数字の大きさで比べているようなものです。

ここで「旧帝大の勝ち」と言う人がいます。科目が多いほうが難しい、という理屈です。

これも、言い切れません。3科目にしぼって深く勉強した人と、6教科を広く勉強した人は、得意なことが違うだけです。

早稲田の英語や国語の問題は、共通テストよりずっと難しく作られています。

どちらの言い分にも、半分ずつ理があります。だから、論争が終わりません。

人数で比べると、早慶のほうが多い

1学年の人数同い年の中で
早慶(2校)15,342人72人に1人
旧帝大の5校(東京・京都を除く)11,450人96人に1人
旧帝大7校17,137人64人に1人

早慶は入学定員、旧帝大は募集人員です。2025年の18歳人口(110万851人)で割りました。

早稲田と慶應は、2校で1万5千人います。東京・京都を除いた旧帝大5校は、1万1千人です。

珍しさで言えば、旧帝大5校のほうが少し上です。ただ、差は大きくありません。どちらも、同い年の100人に1人前後です。

偏差値でも科目でも人数でも、はっきりした勝ち負けは付きませんでした。

では、だれが論争しているのか

東大と京大は、最初に外されています。この2校の人は、論争に入る理由がありません。

早慶の中でも、東大や京大に落ちて入った人は、自分がどちら側なのか、少し複雑でしょう。

残るのは、大阪・東北・北海道・九州・名古屋の5校の人と、早慶が第一志望だった人です。論争は、おもにこの2組のあいだで行われています。

旧帝大5校の側には、「旧帝大」という名前があります。東大・京大と同じ名前です。その名前で呼ばれることで、東大・京大と同じ箱に入れます。

ところが、早慶と比べる段になると、「東大と京大は除く」と言われます。看板の上半分を外されてから、土俵に上げられるのです。

早慶の側は、「私立だから3科目」と言われ続けます。偏差値では勝っているのに、科目の数で値引きされます。

どちらも、相手に勝ちたいというより、自分が値引きされることに納得していないのでしょう。旧帝大5校は「東大・京大ぬき」という値引きに、早慶は「3科目」という値引きに。論争が続くのは、両方に言い分が残っているからです。

決着を付ける方法は、1つだけあります。両方に受かった人が、どちらに進んだかを数えることです。ただ、それを数えると、たいてい「家から近いほう」という答えが混ざります。札幌の人は北海道大学に、東京の人は早慶に進みます。

結局、この論争は、数字では終わりません。終わらないことが分かっているから、名前まで付いて、何年も続いています。

まとめ

  • 旧帝大と早慶のどちらが上かは、試験の形が違うので決められない
  • 論争では、最初に「東大と京大は除く」と断るのが決まりになっている
  • 外される2校は5,687人で、旧帝大7校の33%にあたる
  • 偏差値の数字は早慶が上。ただし旧帝大は6教科、早慶は3科目が中心
  • 人数は、早慶が1万5千人、東京・京都を除く旧帝大5校が1万1千人

出典

  • 偏差値は河合塾Kei-Netのボーダー偏差値(2027年度入試用)。旧帝大の偏差値で調べた数字による
  • 人数は各大学の募集人員・入学定員。旧帝大は上位何パーセントかにまとめた
  • 検索回数はラッコキーワードで調べた月間の数字(2026年10月)
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