大東亜帝国(だいとうあていこく)は、大東文化大学・東海大学・亜細亜大学・帝京大学・国士舘大学の5校をまとめた呼び名です。
関東の私立大学で、日東駒専の1つ下とされるグループです。
初めて聞いた人は、だいたい歴史の用語だと思います。
大学の話だと分かると、次に「そんな名前を付けて大丈夫なのか」と心配します。
大丈夫かどうかはともかく、もう何十年もこの名前で呼ばれています。
日本の大学群の中で、いちばん強そうな名前です。
そして名前の強さと偏差値が、いちばん釣り合っていない大学群でもあります。
この記事では、大東亜帝国がどこの大学で、なぜこんな名前になったのかを整理します。
大東亜帝国はどこの大学か
| 文字 | 大学 | ある場所 |
|---|---|---|
| 大 | 大東文化大学 | 東京都板橋区 |
| 東 | 東海大学 | 東京都渋谷区(主なキャンパスは神奈川県平塚市) |
| 亜 | 亜細亜大学 | 東京都武蔵野市 |
| 帝 | 帝京大学 | 東京都板橋区 |
| 国 | 国士舘大学 | 東京都世田谷区 |
5文字で5校。1校に1文字ずつ、きれいに割り当てられています。ただ、よく見ると少し変です。大東文化は校名が「大東」で始まるのに、もらえた字は「大」だけ。隣の「東」は東海のものです。
自分の名前の2文字目を、ほかの大学に取られている。大東文化からすれば納得しにくい話ですが、語呂の前では校名の事情など考えてもらえません。「大東亜」と続けて読めることのほうが大事だったのだと分かります。
なぜこんな物騒な名前になったのか
理由は単純で、5校の頭の字を並べ替えたら、たまたまそれらしい言葉になったからです。
受験業界の誰かが言い出したとされていますが、はっきりした記録は見当たりません。
並べ方はほかにもあったはずです。「帝国大東亜」でも「東亜大帝国」でも5校は表せます。その中から、いちばん戦前の響きがする並びが選ばれ、定着しました。
選んだ人の趣味が出ています。
気の毒なのは大学のほうです。大東文化も、亜細亜も、帝京も、国士舘も、もともと校名がかなり硬派です。それを5つ集めて煮詰めたら、硬派どころではない名前ができあがりました。本人たちは1度も「帝国」を名乗っていません。
知恵袋にも、この名前そのものに疑問を持つ質問がありました。
大東亜帝国みたいなランク付けの為の名前って意味あるんですかね?
大東亜帝国って凄く語呂がいいだけじゃないでしょうか?語呂合わせの為に一括りにされたらもうこの世間のレッテルみたいなのから抜け出す事は不可能ではないでしょうか?
語呂がいいだけではないか、語呂のために一括りにされたら抜け出せないのではないか、という内容です。
そのとおりで、付け加えることがありません。語呂がいいだけです。
そして語呂がいいものは、正しいものより長く残ります。
並び順は序列ではない
大東亜帝国は、大東文化が先頭で国士舘が最後です。これを順位だと受け取る人がいます。
大東亜帝国って名前は国士舘が一番下ということでしょうか?
回答は、語呂合わせの都合で最後に来ているだけ、というものでした。これも正解です。もし並び順が序列なら、先頭の大東文化が5校のトップということになりますが、そう主張する人を見たことがありません。
実際の順番がどうなっているかは、大東亜帝国の序列の記事で数字を並べました。
5校に共通点はあるのか
同じ名前でくくられていますが、5校の中身はあまり似ていません。
- 東海大学:北海道から九州までキャンパスがある巨大な大学。医学部もある
- 帝京大学:こちらも医学部を持つ総合大学
- 国士舘大学:武道と体育の印象が強い
- 大東文化大学:書道と駅伝で名前が出る
- 亜細亜大学:5校の中ではいちばん小さい
医学部のある巨大な大学と、学部が数えるほどの大学が、同じ5文字に入っています。
共通点は「関東にある」「偏差値の帯がだいたい同じ」「頭の字が語呂に合った」の3つだけです。3つめがいちばん効いています。
5校がそろって全国に映るのは、正月の箱根駅伝です。5校とも出場したことがあり、大東文化・亜細亜・東海は優勝もしています。1月2日と3日だけは、大東亜帝国は偏差値ではなく足の速さで語られます。
5校にとって、1年でいちばん居心地のいい2日間でしょう。
大東亜帝国に入らなかった大学
偏差値の帯が近いのに、大東亜帝国に入っていない大学もあります。
立正大学、東京経済大学、拓殖大学、目白大学などです。
「大東亜帝国 立正大学」のように、仲間に入るのかどうかを調べる検索も毎月あります。
入っていない理由は、難しさの差ではなく、字が語呂に収まらなかったからでしょう。「大東亜帝国立」では言葉になりません。大学群に入れるかどうかは、偏差値より先に、頭文字の運で決まります。
もっとも、入らなかったことが損かどうかは分かりません。この名前を背負わずに済んだ、という見方もできます。
大東亜帝国の上と下
| 位置 | 大学群 | 大学 |
|---|---|---|
| 上 | 日東駒専 | 日本・東洋・駒澤・専修 |
| ここ | 大東亜帝国 | 大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士舘 |
| 下 | 関東上流江戸桜 | 関東学園・上武・流通経済・江戸川・桜美林 |
上は日東駒専、下は関東上流江戸桜。
大東亜帝国は「帝国」で、その下が「上流」です。名前だけ並べると、下に行くほど立派になっていきます。
大学群の名前と偏差値は反比例する、という法則を疑いたくなります。
詳しい話は、次の記事にまとめています。
- 大東亜帝国の序列:5校の中での順番
- 大東亜帝国の偏差値:54学部の一覧
- 大東亜帝国はFランなのか:定義に当てはめた結果
- 日東駒専の下はどこか:上のグループとの境目
- 関東上流江戸桜とは:下のグループ
- 大学群の序列:全体の並び
まとめ
- 大東亜帝国は、大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士舘の5校。読み方は「だいとうあていこく」
- 名前は頭の字の語呂合わせ。大学が名乗ったものではない
- 「大」が大東文化、「東」が東海。大東文化の「東」ではない
- 並び順は序列ではない
- 立正や東京経済が入っていないのは、偏差値ではなく語呂の都合と考えられる
大東亜帝国は、日本でいちばん強そうな名前の大学群です。中身は、関東の中くらいの私立大学が5つ。名前を付けた人はおそらく面白がっていただけで、それが何十年も受験生の進路相談に使われることになるとは考えていなかったはずです。帝国は今日も、日東駒専の1つ下にあります。

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