こんにちは。nerio(@neriopapa)です。
先日、「30歳年収」をランキング付けしたサイトを見付けました。
30歳、といっても就職する年齢は人によって違うため、20代後半〜30代前半での平均年収、と捉えればよいと思います。
例えば就職・転職活動中に自分が受けようとしている会社の年収って気になりますよね。
年収を見る時、平均年収だけではなくて30歳年収を見ると「若いうちにどれだけ稼げるのか」がわかるのでおすすめです。
30歳年収が高いということは、それだけ若手に責任のある仕事を任せてもらえる、とも言えるので仕事のやりがいもあるでしょう(その分大変ですが)。
本記事では30歳年収ランキングを見ながら、具体的にどのような仕事がランクインしているのか、なぜ年収が高くなるのか、について見ていきたいと思います。
就職・転職活動中の学生の方や第二新卒の方など、若手会社員の参考になるかと思います。
注意:今回の記事はあくまでも年収に着目したものですが、企業を選ぶ際の軸は年収だけではありません。お金だけに釣られると痛い目に合う可能性もあるので、慎重に検討しましょう!
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30歳で年収1,000万超えの仕事とは

30歳年収ランキングは東洋経済ONLINEにて毎年公開されています。
※このランキングは日本市場に上場している会社のみを対象にしています
ベスト15を見てみましょう。
この15社を眺めてみると、実は特定の業種に偏っていることがわかります。
1:総合商社
ベスト15のうち、実に5社が総合商社で占められています。
7位 三菱商事
9位 伊藤忠商事
11位 三井物産
14位 丸紅
15位 住友商事
日本で「5大商社」と呼ばれる総合商社が全てランクインしていますね。
2:M&Aサービス
ベスト15のうち、M&Aサービス関連の会社が4社あります。
1位 M&Aキャピタルパートナーズ
3位 ストライク
4位 GCA
8位 日本M&Aセンター
どれもM&Aを仲介・助言する会社です。
3:その他
総合商社とM&Aサービスでベスト15のうち9つを占めており、他の6社は以下の通りです。
精密機械:2社(キーエンス、ファナック)
不動産:2社(ヒューリック、日本商業開発)
投資ファンド:1社(マーキュリアインベストメント)
製薬:1社(ソレイジア・ファーマ)
こう見ると総合商社は強いですね。
4:非上場企業ではコンサルティング業界が高い
一覧は上場企業しか載っていないのですが、私が働いているコンサルティング業界も一般的には収入が高いことで知られています。
特に若手がチャレンジする風土があるので、それだけ30歳年収も高くなる傾向があります。
ひとえにコンサルティング業界といっても様々な業種があるのですが、私が勤務するITコンサルティング会社も30歳年収はちょうど1000万くらいだと思います。
コンサル業界については別途記事にしたいと思います。
なぜ年収が高いのか?を考えてみる

では、なぜ総合商社やM&Aサービスを提供する会社の年収(=給料)が高くなるのでしょうか?
給料が高いのは、高いものを売っているから
当たり前といえばそれまでですが、高いものを売ればそれだけ多くのお金をもらうことができます。
安いものをいくらたくさん売っても、あまりお金にはなりません。
私はITコンサルタントの仕事をしていますが、このもらうお金のことを「クライアント単価」という言葉で呼んでいます。
大根農家が年収1,000万円を得るための作付け面積は?
クライアント単価について頭の体操をしてみましょう。
例えば、私が大根を栽培する農家だったとします。
スーパーで見かける大根って、だいたい1本200円くらいで売っているでしょうか。
農家がJAなどに大根を卸す際の価格がその半分と仮定すると1本100円。
これが私の「クライアント単価」となります。
大根を1本売れば収入が100円ということですね。
もし私が年収1,000万円を目指そうとすると、大根を10万本売る必要があります。
100円/本 × 10万本 = 1,000万円
大根10万本、って言われてもイメージが湧かないので、作付け面積を計算してみます。
大根1本の重さを1kgと仮定します。すると10万本で100,000kg。
政府統計によると農地10アール当たりの大根の収量が約4,000kgなので、
10 × 100,000/4,000 = 250アール
となります。
すなわち、大根を10万本作るために必要な農地の面積は「250アール」です。
これは東京ドーム約半分の面積です。
※面積の変換にはこちらのサービスを利用しました
こんな広い農地で頑張らないと年収1,000万円には到達しません。
とても1人では無理です。
人件費がかなりかかりますし、経費を引いたら利益はあまり出ないのではないでしょうか。
農家がどれだけ大変な仕事かわかりますね。
ちなみに、今回計算に用いた数値は仮定を置きまくっています。
このように仮定をどんどん置いて推定値をササッと計算することを「フェルミ推定」と呼びます。
就活でコンサル会社を受ける際に、ケーススタディや面接でこのフェルミ推定を使う課題が出ることがありますが、日頃からこのような頭の体操をするクセを付けておくと役に立ちます。
総合商社の単価は高い
それでは、総合商社の年収はなぜ高いのか。
総合商社のビジネスは「物を買って」「物を売る」ことです。
生産者は販路を持たないから売れないし、販売者はものを作れない。
この両者をつないで、利ざやを稼ぐのが総合商社の仕事です(超ざっくり言ってます)。
総合商社の場合、一つ一つの取引の規模がとても大きいことが特徴です。
特に石油や天然ガス、シェールガスなどのエネルギー事業になると、一つの取引が数千億円になることもあります。
つまりクライアント単価がめっちゃ高い。
規模が大きくなればそれだけ利ざやも大きくなるので、高い給料を払っても大丈夫、ということです。
ランキングの常連であったM&Aサービスについても同様ですね。
M&Aが1件成約すれば多額の報酬が得られるので、それだけ従業員の給料も高くなるというわけです。
ちなみに私が働いているITコンサルタントの場合、クライアントである企業からもらうお金は1人当たり100万〜400万円にもなります。
管理職の場合、200~300万というところでしょうか。年間でいうと3000万円近くになります。
ここから各種経費を引いた分が我々コンサルタントの収入となるわけです。
まとめ:年収が高いからこの会社を受けよう!は思考停止
就活で会社を選ぶ際に「給料が高いかどうか」って大事な要素です。
でも、単純に「収入が多いからこの会社受けよう!」という考えは甘いと思います。
何で年収高いの?
↓
何を売ってる会社なの?
↓
何でそんなに高く売れるの?
↓
高く売るために自分はその会社で何ができるの?それは自分がやりたいことなの?
というように、どんどん深堀りしていくと会社のことが少しずつ見えてくるのではないでしょうか。
それでは、nerio(@neriopapa)でした。