妻の妊娠発覚後、初めての妊婦検診に行ってきました。
妊娠初期検査を実施したのですが、その項目の中に
「トキソプラズマ抗体検査」
というものがありました。
これ、実は私が一番気になっていた検査なのです。
トキソプラズマって何だ
そもそも妻が妊娠するまでは名前も聞いたことが無かったのですが、どうやらどこにでも存在する「寄生虫」のようです。
そして、その寄生虫に人間が感染すると「トキソプラズマ症」という感染症にかかってしまいます。
トキソプラズマ症は、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)というアピコンプレクサに属する一属一種の寄生性原生生物(原虫)により起こされる感染症である。(中略)
世界的に見ると全人類の1/3以上(数十億人)が感染しているとされるなど非常に広く蔓延していることが知られている。
引用元:「トキソプラズマ症とは」 国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3009-toxoplasma-intro.html
多くの人間が既に感染しており、通常は感染してもそれほど大きな症状は出ません。気付かないか、ちょっと風邪っぽい症状が出るくらい。
妊婦が感染すると危険
こちらも上記記事からの引用ですが、
妊娠中の女性が感染することにより起こる先天性トキソプラズマ症は、死産および自然流産だけではなく児に精神遅滞、視力障害、脳性麻痺など重篤な症状をもたらすことがある。
とのこと。
妊娠前に既に感染していれば抗体があるので問題ないのですが、妊娠中に感染すると赤ちゃんに影響が出る場合がある、ということです。
感染経路は?
大きく分けて、
・猫
・ガーデニング(土をいじる)
・生肉
の3つ。
実は我が家は夫婦ともども生肉が大好物なのです。
かつては焼肉屋さんに行くと必ずレバ刺しを頼んでおり、レバ刺し禁止令が発令された当時は、禁止直前にレバ刺しの食いだめをしたくらいです。
で、妊娠が発覚する直前のタイミングでちょうど夫婦揃って馬刺しを食べており、これがずっと私の頭の中に引っかかっていて「大丈夫かな…」と心配に思っていたのです。
IgG抗体検査とIgM抗体検査の違い
妻の抗体検査結果の一部です。
ちょっと見えにくいですが、
トキソプラズマIgG抗体(基準値 0~6) ≦ 3 IU/ml
と出ています。この数値が重要。
最初に実施するのはIgG抗体検査
トキソプラズマに関しては、まず最初に「IgG抗体検査」を実施します。
この抗体、感染後のタイミングによって数値が変わるらしい。
・IgG抗体はIgM抗体より遅れて出現し、1~2ヶ月でピークを示し数ヶ月~数年にわたり陽性を示します。
引用元:臨床検査事業 ファルコバイオシステムズ
http://www.falco.co.jp/rinsyo/detail/060249.html
つまり、感染初期は数値が高く、時間が経つにつれ数値が低くなっていく。
その判定ラインの数値が「3~6」ということ。
今回の妻のケースだと3より低いので、
・既に感染している
かつ
・感染からかなり時間が経っている
ということがわかりました。
妊娠前に感染して抗体があるから「問題なし」と判断された、ということです。
気にしていた馬刺しではなく、もっと前から感染していたみたいですね。
よかった。
IgG抗体の数値が高い場合はIgM抗体検査を実施
こちらは妻の場合実施していませんが、もしIgGの数値が高い場合は直近数ヶ月で感染した可能性があるため、IgM検査を実施する流れになります。
IgM抗体に関しても基準値があり、それ以下であれば問題なし。
基準値を超えている場合はさらに次の確定診断に進むことになります。
まとめ
トキソプラズマの感染に関してはその感染時期が重要。妊娠前に感染したのであれば問題ありませんが、妊娠直後に感染した場合は治療が必要となるケースもあります。
また、妊婦さんで逆に感染していない(=抗体を持っていない)場合、出産までにトキソプラズマに感染しないよう、
・猫の糞をいじらない
・ガーデニング時には手袋をする
・生肉は絶対食べない
これらを守って過ごす必要があります。
妊婦さんはただでさえいろいろ制約があるので大変ですが、将来生まれてくる子どものため、出来る限り注意していきましょう。